伊藤沙莉、ホスト狂いのキャバ嬢役・乃木坂46久保史緒里の女優力を絶賛「もっともっとたくさん知りたい」
『ミッドナイトスワン』(20)の内田英治監督と『岬の兄妹』(19)、『さがす』(22)の片山慎三監督がタッグを組んだ映画『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』の初日舞台挨拶が6月30日にテアトル新宿で開催され、伊藤沙莉、竹野内豊、北村有起哉、久保史緒里(乃木坂46)、内田監督、片山監督が登壇。伊藤が、久保のギャップに驚いた瞬間を明かした。
新宿・歌舞伎町にある小さなバー「カールモール」のママで、探偵業を営むマリコ(伊藤)を主人公とした本作。FBIを名乗る3人組から「歌舞伎町に紛れ込んだ宇宙人を探してくれ」という依頼を受けたマリコが、恋人の自称忍者MASAYA(竹野内)の協力のもと宇宙人に迫ってゆく姿を描く。『獣道』(17)を撮り終えたばかりの内田監督が、「伊藤主演で、数人の監督によるオムニバス映画を撮りたい」とあたためていた企画がようやく実現。伊藤は「ずっと内田監督と『また一緒に作品を』と言っていた。そこに片山さんも加わって、すごい作品になりそうだと思った」と感無量の面持ちを見せた。
自称忍者役を演じた竹野内は、「忍者の練習は、当日ぶっつけ本番」とにっこり。「忍者役は初めてだった」と話して会場の笑いを誘いつつ、「最初にお話をいただいた時、現代劇で忍者ってどういうことかわからなかった。とても楽しませていただきました」と目尻を下げた。伊藤の人柄にもとても助けられたそうで、「クランクインした時には、すでに撮影が始まっていて。途中で、参加するというのは意外と力が入ったり、緊張したりするもの。でも伊藤さんが現場の空気を和ませてくれた。とてもニュートラルな方なので、構えることもなく自然と溶け込んでいけた」と感謝しきり。伊藤は「本当に雰囲気のいい現場でした。仲良く、みんな笑いながら撮影ができた」と振り返りながら、「竹野内さんがいらっしゃった初日は、サンドイッチマンの姿だった。似合うのが不思議でした。似合っちゃうんだなって。なんでも似合うんだなと思って衝撃的でした」と竹野内のカッコよさに衝撃を受けたことを明かした。
ホスト狂いのキャバ嬢・絢香役に挑戦した久保は、「すごく緊張しいで、撮影もずっと緊張していた」そうだが、「絢香の服装は短いズボンだったりしたので、外の撮影が寒かった。沙莉さんが『寒くないですか』と話しかけていただいて、救われていました」としみじみ。一方の伊藤は「めちゃくちゃかわいい。顔が小さくて、(目が)くりくりしていて」と久保の印象を吐露し、さらに「絢香になると、控え室にいる時と空気感が違う。幸が薄くなる。なかなかパッと出せるものではないと思うので、いろいろな一面があってもっともっとたくさん知りたいなと思わせていただいた」と女優としての魅力を語った。久保は「グループで活動をしているときも、“幸薄い担当”というか」と笑いながら、「ファンの方にも『幸が薄いね』と言われるんです。感じ取っていただいてありがたいです」と声を弾ませていた。
またマリコが探偵であることにちなみ、それぞれが「もしマリコに探偵をお願いするなら、どんな依頼をお願いするか?相談したいことはある?」との質問に答える場面も。久保は「アイドルとしてどう進んでいけばいいのか聞いてみたい」と照れ笑いで相談し、これには伊藤が「迷うことないですよ!そのまま突き進んでください。大丈夫です、確実に!」と太鼓判。伊藤は「SNSとかで、ちょっと尖った言葉を投げてしまう人もたまにいらっしゃる。そういった攻撃する人を見つけて、気持ちをほぐしてほしい。その人たちと飲んだりして、『なにが辛い?』『どうしたい?』とほぐしてあげたら、もっと優しい世界になる気がする」と提案していた。
取材・文/成田おり枝