「家族を守るためなら命を懸ける」おしどり夫婦の赤井英和&佳子、『BAD LANDS　バッド・ランズ』の家族愛に共鳴

「お互いに信頼できる相手がいるというのは、とても幸せなこと」(佳子)

――犯罪に加担し裏社会に生きる人々と、彼らを追う刑事たちの攻防戦も見どころとなりますが、どちら側の登場人物も個性豊かな面々が顔をそろえています。印象に残ったキャラクターはいますか？

佳子「天童(よしみ)さん演じる、特殊詐欺の道具屋。あのキャラクターも、ものすごくおもしろかったですね！天童さんが演じると、まじめなシーンでもなぜかおもしろみが出てくる。とてもステキでした」

英和「僕は以前、天童さんと舞台をご一緒させていただいていて。巡業で日本各地を一緒に回ったりもさせていただいたんです。天童さんのお芝居の魅力は、いつも体当たりであるところ。舞台ではその時の状況によっていろいろなアドリブを出されることもあって、本当にすばらしいなと思っていました」

佳子「主人公のネリももちろん印象的です。壮絶な過去があったり、どれだけ大変な状況にあっても、ネリはいつも感情を抑えていて、決してカッカして我を失ったりしない。だからこそ映画を観ているこちらが、ネリに心を動かされて、熱くなってくる。安藤サクラさんのお芝居もとても魅力的でした。弟のジョーは、そんなネリを守るために思い切った行動に出ますよね。ネリのためならば、なんでもするようなところがある。ああいった姿を見ていると、『わかるな』『私も家族を守るためならば、なんでもやるな』と思いました」

英和「僕にとっても一番大事なものは佳子ちゃんであり、家族です。家族を守るためならば、命懸けになります」

――ご家族の絆の強さを感じます。ジョーはネリを心の拠り所としていますが、赤井さんご夫婦にとって「お互いのこんなところが頼もしい」と思うところがあれば教えてください。

英和「うちの力関係は、100対0なんです(笑)。私が一方的に、佳子ちゃんを頼っています。例えばロケで『明日から4泊5日で大阪に行かないといけない』という時には、『人間、食べないと死んでしまう。お小遣いちょうだい』ともらっています。お小遣い制ですので、ポケットにあるのが私の全財産。ポケットのものがなくなったら、佳子ちゃんにまたお小遣いをいただくわけです。全面的に頼りにしています」

佳子「(爆笑)！そういう経済的な話をするんじゃなくて、ここは精神的な話をするところでしょう(笑)！私は、ネリとジョーが、まったく相手を疑っていないところがすごいなと思いました。ジョーはお姉ちゃんにべったりだけれど、お姉ちゃんのほうは、ある程度ジョーを自分から引き離そうともする。でも助ける時は、絶対に助けようとする。ものすごく頼もしいなと。また曼荼羅もそこに加わって、家族のようになっていきますよね。自分たちのことを考えても、お互いに信頼できる相手がいるというのは、とても幸せなことだと思います。そういう人がいるからこそ、危険な世界に身を置いていても、ネリは前に進んでいけるのかなと感じました」