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「家族を守るためなら命を懸ける」おしどり夫婦の赤井英和&佳子、『BAD LANDS バッド・ランズ』の家族愛に共鳴

インタビュー

「家族を守るためなら命を懸ける」おしどり夫婦の赤井英和&佳子、『BAD LANDS バッド・ランズ』の家族愛に共鳴

「映画館で2回、3回と観て、西成の空気や匂い、温度も感じていただきたい」(英和)

“疑似家族”のような関係性を築くネリ、ジョー、曼荼羅
“疑似家族”のような関係性を築くネリ、ジョー、曼荼羅[c]2023『BAD LANDS』製作委員会

――本作において、“家族”というのは一つのキーワードのように感じます。ネリが拠点とする町の住人や、曼荼羅の住むアパート「ふれあい荘」の面々も、どこか“擬似家族”のような結びつきがあります。

佳子「いまの時代、『一度間違いを犯したら、許されない』という風潮があるなと感じることもありますが、ネリと周囲の人たちとのつながりを見ていると、誰もが『この人はこうだ』と決めつけないし、人を許したり、受け入れたり、懐の深さを感じました。西成って、そういった人情のようなものを感じる町でもあって。和くんのおばあちゃんが亡くなった時も、たくさんの人が来てくれたんだよね」

英和「うちのおばあちゃんは、毎日、家の前を掃除していたんですが、そこを通るご近所さんに必ず『こんにちは』と挨拶をしたり、人付き合いがとても好きな人だったんです。おばあちゃんが亡くなってお葬式をやった時には、『おばあちゃん、亡くなったんか』と何人もの人が拝みに来てくれて。10円玉を置いていってくれて。10円玉が、山盛りになりました。おばあちゃんは、地元の人や、近所で働いているおっちゃんたち、みんなに親しまれていたんだなと感じました。この映画には、そういった町の人々の持つ空気感も映しだされていて、とてもすばらしいなと思ったんです。これから本作をご覧になる方にお伝えしたいのが、ぜひ劇場で観ていただきたい映画だということ。映画館の大きなスクリーンやスピーカーを通して、西成の空気や温度、匂いまでをぜひ感じ取っていただきたいです」

赤井佳子も「女性にもオススメしたい映画」と太鼓判
赤井佳子も「女性にもオススメしたい映画」と太鼓判[c]2023『BAD LANDS』製作委員会

佳子「本当にそうだね。人の匂いまでが伝わってくるような映画だと思うので、これを小さな画面で観るのはもったいない!また、女性にオススメしたい映画だなとも思いました。とにかく主人公のネリがカッコいいし、感情の細やかな動きが描かれた映画なので、そういった部分までいろいろと楽しめると思います」

英和「ネリは強く生きている女性で、勇気をもらえるような存在ですね」

――赤井さんもボクサーとして勝負の世界で戦い、その後は俳優さんやタレントさんとして活動されるなど、力強くご自身の道を歩んできました。強くなるための秘訣などがあれば、教えてください。

英和「自分を信じることやなと思います。あとは常に“いま”を大切にすることです!」

佳子「それって、なかなかできることではないですよね。たとえば、しばらく休みがなかったとしたら、きっと多くの人は、少し前のことを振り返って『もう何日も休んでいない』と思うし、先のスケジュールのことを考えれば『まだまだ休みがない』と思うはず。でも赤井は、1年間に1日も休みがなくても疲れないんですよ。それは今日、その日のことしか考えていないから。だからこそ、ボクシングも強かったんだと思います。うらやましいですし、とても真似できないなと思います」

【写真を見る】ネリとジョーにも負けない絆の強さ!拳飛び交う赤井夫妻の仲良し(?)ショット
【写真を見る】ネリとジョーにも負けない絆の強さ!拳飛び交う赤井夫妻の仲良し(?)ショット撮影/興梠真穂

英和「強くなる秘訣ではないですが、もう一つ僕が生きるうえで大事にしていることがあって。ボクシングを引退したのが、25歳。その後、28歳で初めてエキストラのような役で映画に出させていただいて、29歳の時に『どついたるねん』という映画に主役として出演させていただきました。主役なんてどうしたらええかもわからずに現場に行って、撮影の初日に、記録係の今村治子さんに『どないしたらいいかわかりません』と聞いたんです。すると『みんなで力を合わせて、赤井くんを撮っていく。赤井くんは、とにかく愛される人になりなさい』と言われたんです。いまでもその言葉は宝として大事にしていて、子どもたちにも伝えていきたいなと思っています」


――映画の撮影現場で、とてもステキな出会いがあったのですね。

英和「映画っていうのは、やっぱりいいものやなと思います。一緒に観た人と、その後にいろいろと話ができるのも映画のいいところ。僕も、家に帰ったら佳子ちゃんと『BAD LANDS バッド・ランズ』の話をしたいと思っていますから。この映画は2回、3回と観て、また違った見え方のしてくる映画のようにも感じるんです。何度も観て理解を深めながら、いろいろと語り合ってもらいたいですね」

取材・文/成田おり枝


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