「ヒーローの日」記念!総勢180名網羅のマーベル・シネマティック・ユニバース相関図で、ヒーローたちの関係性をプレイバック
これからのMCUを探る指針に!?抑えておきたい要注目キャラ
外宇宙からの侵略を含め、特殊な能力を持つヴィランに対する政府の対応が大きく変化していくなかで、MCUには新たなヒーローの誕生や新たな組織を動かす重要人物なども現れている。ここでは、今後のMCUにおける世界情勢やヒーローに大きな影響を与えそうな人物たちをピックアップして紹介していきたい。
●ミズ・マーベル/カマラ・カーン
MCU映画最新作『マーベルズ』(23)において、若きヒーローとして活躍したミズ・マーベルことカマラ・カーン(イマン・ヴェラーニ)。そのラストシーンで、カマラはドラマシリーズ「ホークアイ」でクリントを師と仰ぎ共に戦ったケイト・ビショップ(ヘイリー・スタインフェルド)に声を掛けていた。その目的は、若いヒーローを集めた新たなチームの結成。ここで、カマラは「アントマンの娘にも声を掛ける」と言っている。『アントマン&ワスプ:クアントマニア』(22)でアントマン(ポール・ラッド)の娘ことキャシー・ラング(キャスリン・ニュートン)もピム粒子を使って縮小化と巨大化を駆使して戦っていたことから、ヒーローとしての素質があるということだろう。
そのほかにも『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』に登場したアメリカ・チャベス(ソーチー・ゴメス)、『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』(22)に登場したリリ・ウィリアムズ/アイアンハート(ドミニク・ソーン)などがその候補として考えられる。原作コミックス版の「ヤングアベンジャーズ」から考察するなら、劇中で大きな活躍こそしていないものの、実は様々な種まきは行われており、今後の展開次第ではさらなるヒーローたちが現れる可能性も高い。そんな若きヒーローを束ねることになるであろうカマラは、今後のMCUにとっても中核を担う人物となりそうだ。
●サディアス・ロス
アメリカ国務長官のサディアス・ロスがMCUに初登場したのは『インクレディブル・ハルク』(08)からであることを考えると、かなり古参のキャラクターといえるだろう。『インクレディブル・ハルク』では、アメリカ陸軍将軍であり、スーパーソルジャー計画を再開させる人物として描かれ、娘(リヴ・タイラー)の恋人であり、実験によってハルク化したブルース・バナー(本作ではエドワード・ノートンが演じている)を目の仇にしていた。
その後、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(16)で再登場。アメリカ国務長官に就任しているが、ヒーローたちを毛嫌いしており、ヒーローを政府が管理する「ソコヴィア協定」を推進する。『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』において、サノスの軍勢による襲撃があってもヒーローに対する否定的な姿勢が変わることはなかった。そんな対ヒーローの政府代表のような存在のロスは、最新作『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド(原題)』(2025年2月全米公開予定)では、アメリカ大統領となって登場するという。この展開は、ヒーローにとってはアメリカ大統領が政府ぐるみで敵となる可能性もあり、MCUの今後においてはより重要度を増していく人物であることは間違い無い。ちなみに、サディアス・ロスを長年演じて来たウィリアム・ハートは、残念ながら2022年に他界。その役は、ハリソン・フォードに引き継がれることが発表されている。
●ウィルソン・フィスク/キングピン
ニューヨークの裏社会を牛耳るマフィアの帝王、キングピン(ヴィンセント・ドノフリオ)。MCUでは「デアデビル」で初登場し、盲目のヒーロー、デアデビルとの長きに渡る因縁が描かれている。「ホークアイ」では、ホークアイことクリント・バートンが裏社会に関わる事件に絡んだことで、遠い存在であったアベンジャーズとも敵対関係としてつながった形となる。最新ドラマシリーズ「エコー」では、主人公エコーことマヤ・ロペス(アラクア・コックス)の養父という立場にあり、再び裏社会の首領としての圧倒的な存在感を見せている。さらに今後は、デアデビルの新作ドラマとなる「デアデビル:ボーンアゲイン(原題)」にも引き続き登場することも発表されており、MCUの世界に影響を与える大物ヴィランとしても今後、様々な作品に関わっていきそうだ。
●シャロン・カーター
スティーブの恋人だったペギー・カーター(ヘイリー・アトウェル)の姪、シャロン(エミリー・ヴァンキャンプ)。『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』で初登場した際はS.H.I.E.L.D.のエージェントだったが、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』ではCIAの対テロ共同対策本部に身を置いていた。ペギーを尊敬し、キャプテン・アメリカにも協力的だった。『シビル・ウォー』において、ソコヴィア協定に反対し、反政府的なヒーローとなっていたキャプテン・アメリカをサポートしたことから、アメリカ政府から糾弾され、CIA捜査官としての職を失ってしまう。その後、「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」でサム・ウィルソン(アンソニー・マッキー)とバッキーに協力する形で再登場するが、味方だと思われていたその正体は犯罪都市マドリプールに君臨する裏社会を操るパワーブローカーだった。シャロンは、アメリカ政府やヒーローに失望し、ある意味闇落ちしてヴィラン化した人物とも言える。裏社会を動かす強大な力を得つつ、ヒーローたちにも信用されているシャロンは、今後どのようにMCUの物語に絡んでいくのだろうか?その動向に注目したい。
●ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌ
通称“ヴァル”(ジュリア・ルイス=ドレイファス)は、「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」の終盤で2代目キャプテン・アメリカを襲名しながらも不名誉除隊となったジョン・ウォーカー(ワイアット・ラッセル)の前に現れ、彼に新たなユニフォームとU.S.エージェントの名を送った謎の人物。その後、『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』にて彼女がCIA長官であることがわかり、政府において大きな力を持っていることが明らかとなった。また、『ブラック・ウィドウ』(21)ではナターシャの妹のエレーナ(フローレンス・ピュー)の前にも姿を現し、クリントの暗殺を依頼するなど、裏側でなにかを計画しているような様子を見せている。ヴァルは、公開が控えるMCUのヴィランなど問題のあるメンバーを集めたチームが結成される『サンダーボルツ(原題)』(公開日未定)に登場することが決定しており、そこでまだ表立った動きを見せていない彼女の真の目的も明らかになると思われる。ヴァルの思惑もMCU全体に大きな影響を与えていきそうだ。
こうした新たな人間関係の変化や秘めた想いを抱えた人物たち暗躍に加え、今後のMCUでは、2024年に「デッドプール」映画最新作の公開が予定されている。ヒュー・ジャックマン演じるウルヴァリンの登場を含め、多くのサプライズが用意されている注目作であり、そこからつながるであろうミュータント=X-MENの存在は、今後のMCU全体に影響を与える事象になると予想される。そして、ついにMCU入りを果たすマーベル・コミックスを代表するヒーローチームである『ファンタスティック・フォー』の制作も決まっており、ヴィラン側だけでなくヒーロー側もさらなる世界観の拡大が期待できそうだ。
※記事初出時、誤った情報が掲載されておりましたので、当該部分を修正させていただきました。訂正してお詫びいたします。
文/石井誠