MADな変態が大集合!主人公をも食うインパクトを放つ「マッドマックス」の悪役大図鑑

コラム

MADな変態が大集合!主人公をも食うインパクトを放つ「マッドマックス」の悪役大図鑑

デスマッチで敵を排除!町を支配する女帝アウンティ

“ソウルの女王”ティナ・ターナーが悪役を演じた(『マッドマックス サンダードーム』)
“ソウルの女王”ティナ・ターナーが悪役を演じた(『マッドマックス サンダードーム』)[c] Warner Brothers/courtesy Everett Collection

グッとハリウッド色がアップした3作目『マッドマックス サンダードーム』(85)。物々交換で成り立つバータータウンに流れ着いたマックスは、何者かに奪われた自分の持ち物を取り返すため、町の支配者アウンティ・エンティティ(ティナ・ターナー)に協力。町の動力源を握る裏の権力者と金網ドームでデスマッチを戦うことになるが…。

頭脳&腕力という漫画的な設定が魅力の2人組、マスター・ブラスター(『マッドマックス サンダードーム』)
頭脳&腕力という漫画的な設定が魅力の2人組、マスター・ブラスター(『マッドマックス サンダードーム』)[c] Warner Brothers/courtesy Everett Collection

この“サンダードーム”で戦う相手が、頭脳派の小人男と怪力巨躯男からなる漫画的な2人組マスター・ブラスター。顔をマスクで覆う謎めいたブラスター(ポール・ラーソン)は圧倒的なパワーでマックスを苦しめるが、実は知的障がいを抱えており、中身はほんの子ども。そんな彼を始末し、町を完全に掌握しようとするアウンティこそが本作の真のヴィランだ。

不気味な人形男アイアンバーら、変な敵もしっかり登場する(『マッドマックス サンダードーム』)
不気味な人形男アイアンバーら、変な敵もしっかり登場する(『マッドマックス サンダードーム』)[c] Warner Brothers/courtesy Everett Collection

ゴージャスな金髪がまぶしいオーラあふれるたたずまいで、パワフルな演説をぶつ姿はまさに女帝。不気味な人形の首がついた棒を背負ったアイアンバーなど彼女を慕う部下も個性的で、その不穏さを盛り上げていた。

周囲を道具として扱う、白塗り独裁者イモータン・ジョー

狂気の独裁が恐ろしい『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のイモータン・ジョー
狂気の独裁が恐ろしい『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のイモータン・ジョー[c] Warner Bros. / Courtesy Everett Collection

マックス役をトム・ハーディにバトンタッチし、30年ぶりに制作された『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(15)。流浪の最中に襲撃され独裁者が支配する砦に捕らえられたマックスが女戦士フュリオサ(シャーリーズ・セロン)らと共に自由を目指して反旗を翻していく本作で、マックスたちに立ち塞がるのがイモータン・ジョー(ヒュー・キース・バーン)だ。

全身白塗りに加え、ドクロをモチーフにした酸素マスクや透明なアーマー、胸の勲章などおっかない見た目のジョーは中身もどうかしている最悪の男。

ジョーに認められたい一心で奮起する、健気なウォーボーイズのスリット(『マッドマックス 怒りのデス・ロード』)
ジョーに認められたい一心で奮起する、健気なウォーボーイズのスリット(『マッドマックス 怒りのデス・ロード』)[c] Warner Bros. / Courtesy Everett Collection

“勇敢に戦って死ねば「英雄の館」へ行ける”と教えるカルト宗教で若い男たちを白塗り特攻集団“ウォーボーイズ”に仕立て、美しく若い女性たちは自分の子どもを生ませる“ワイブス”として“所持”。さらに庶民には適度に水を与えて黙らせるなど、自分の世界を作るために周囲をコマとして扱う極悪非道な暴君だ。

ジョーの息子リクタスは怪力の持ち主(『マッドマックス 怒りのデス・ロード』)
ジョーの息子リクタスは怪力の持ち主(『マッドマックス 怒りのデス・ロード』)[c] Warner Bros. / Courtesy Everett Collection

脇を固めるキャラクターも個性豊かで、ジョーの息子たちは筋骨隆々だが知能の低いリクタス(ネイサン・ジョーンズ)と頭脳明晰な小人症のコーパス(クウェンティン・ケニハン)は『〜サンダードーム』のマスター・ブラスターを思わせる。

仲間もクセ者ぞろい。くり抜かれたスーツの穴から露出したピアスのついた乳首をことあるごとにいじる金好きの太った男、人食い男爵(ジョン・ハワード)や、銃弾を差し歯代わりにし、指揮をするかのように銃をぶっ放す武器将軍(リチャード・カーター)など、イカれた悪役の宝庫だった。

あのヒーローそっくり!赤マントの暴君ディメンタス将軍

クリス・ヘムズワースの悪役が新鮮な『マッドマックス:フュリオサ』
クリス・ヘムズワースの悪役が新鮮な『マッドマックス:フュリオサ』[c] 2024 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.


そして『〜怒りのデスロード』の前日譚となる『マッドマックス:フュリオサ』。フュリオサ大将軍の若き日をアニャ・テイラー=ジョイ主演で描く本作で、悪役として登場するのがクリス・ヘムズワース演じるウォーロード・ディメンタス将軍だ。

バイクの改造も個性的なディメンタス将軍『マッドマックス:フュリオサ』
バイクの改造も個性的なディメンタス将軍『マッドマックス:フュリオサ』[c] 2024 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

若きフュリオサを連れ去る暴走バイカー集団を率いるディメンタス将軍。筋骨隆々のボディに赤のマントをなびかせる姿はさながら某MCUヒーロー。鼻が詰まったような甲高い声や不敵な笑顔、胸元に携えたクマちゃんのぬいぐるみ、マネキンが添えられた改造バイクなど、ひと目でMADなことがわかるキャラの立ちっぷりが潔い。

『マッドマックス:フュリオサ』は5月31日(金)より公開
『マッドマックス:フュリオサ』は5月31日(金)より公開[c] 2024 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

天然の要塞“シタデル”を牛耳るイモータン・ジョーとの覇権争いを繰り広げることになるディメンタス将軍がどんな恐ろしい蛮行を繰り広げてくれるのか、楽しみなところ。主役以上の存在感を放ち、観客に強烈なインパクトを与えるナイスなヴィランたちにも注目して、最新作をチェックしてほしい。

文/サンクレイオ翼

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