「馬琴の魂の物語」「和製ファンタジーのすばらしさ」…名作誕生の知られざる奇跡の実話を描く『八犬伝』を原作ファンが大絶賛!
「天才同士が互いを認め合う」…創作の裏側がわかる“実”パートに心を揺さぶられる
“実”パートの軸となるのは、役所広司演じる馬琴と、その友人で内野聖陽扮する葛飾北斎。馬琴が構想中の「南総里見八犬伝」の物語を北斎に語りかけ、それを聞いた北斎が即興で挿絵を描いて見せるなど、日本を代表するクリエイター2人による軽妙なかけ合いが繰り広げられていく。そこに加えて、父の馬琴を尊敬し、執筆の手伝いもする宗伯役で磯村勇斗、創作活動を優先する夫への愚痴が耐えない馬琴の妻、お百役で寺島しのぶ、宗伯と夫婦になる物語終盤のキーマン、お路役で黒木華が出演。さらに、立川談春、中村獅童、尾上右近といった落語、歌舞伎界からも実力派たちが参加している。
まず目を引くのが馬琴と北斎の友情。まじめな馬琴と飄々としていて神出鬼没な北斎は、正反対の性格で一見すると相性もよくなさそう。しかし、両者に共通するのが創作に対する情熱であり、お互いの作品について率直に意見交換をしたり、境遇を気遣い合ったりと、常に高みへと登り続けようとする2人だけの空間がそこに存在していることが伝わってくる。
「お2人の演技が本当にすばらしかった。200年前にも実際にああやって話していたかもしれないと思えました」(50代・女性)
「馬琴と北斎の天才同士が互いを認め合う感じがいいです」(50代・女性)
「好みは異なるのに、気は合う感じがとてもよかったです」(40代・男性)
「馬琴と北斎の男の友情はステキだと思いました。お百さんの感情はいつの時代の女性でも持っているものだと思います。寺島さん、迫力がすごかった」(50代・女性)
「馬琴と北斎のかけ合いが楽しく、宗伯を亡くした時は胸を締め付けられ、お百の罵声に縮み上がりました」(50代・女性)
上述で「南総里見八犬伝」は完成までに28年を要したと説明したが、そのなかで馬琴には様々な苦難や葛藤があったことが劇中でも描かれている。それでも筆を折るようなことはせず、八犬士たちに負けず劣らずの芯の強さを持って書き続けたその姿が、大勢の心を揺さぶっていた。
「役所さんの、年老いて目が見えなくなってからの表情の演技がとても印象に残った」(60代・女性)
「大勢が関わりながら、作品が出来上がっていく過程がおもしろい」(50代・女性)
「どんどん年を重ねながら作品の創作に向かうなか、物語のクライマックスと相反して弱っていく姿が印象的だった」(50代・女性)
「八犬士だけの映画ではなく、馬琴の魂の物語だと思い直しました」(30代・女性)
「どういう人間があの大作を作り上げたのか垣間見える作品」(30代・女性)
「滝沢馬琴の頭のなかを覗き見ることができた」…「南総里見八犬伝」の魅力を再ハッケン!
“虚”パートと“実”パートを交錯させる本作の演出は、これまでになかった新しいアプローチ。「南総里見八犬伝」を愛してきたファンからも、「“虚”と“実”の描き方がすばらしい」と以下のようなコメントが寄せられている。
「(これまでは)“虚”のファンタジー部分をフィーチャーした作品が多かったなか、“実”の人間模様、ドラマの奥深さを知ることができてよかったです」(50代・女性)
「“虚”だけだと楽しい物語!の感じが強くなると思いますが、“実”の面があることで深みも増しました」(30代・女性)
「現実パートと物語パートを交互に見せたおかげで、メリハリのあるものとなり、最後まで大変楽しめた」(60代・女性)
「“実”と“虚”を交ぜてテンポよく進むストーリー、最高でした。監督が本当に好きで、こだわりを持って制作されたことが伝わりました」(女性)
「“虚”と“実”のバランスがよかった。馬琴の伝記的な物語に『南総里見八犬伝』のストーリーを組み合わせ、最後に融合させる構成は秀逸」(60代・男性)
馬琴がどのような想いを抱えながら「南総里見八犬伝」を書き続けてきたのかがわかるところもまた、「新しい視点によっておもしろさが再発見できた」と本作の魅力に挙げられている。
「滝沢馬琴の頭のなかを覗き見ることができたような感覚でした」(50代・女性)
「28年の長い歳月をかけて綴られてきた『南総里見八犬伝』はいまなお多くの作品に影響を与えているが、そこに滝沢馬琴という1人の男の生涯をかけた作品としての重みを感じた」(30代・男性)
「初めて作者を感じながら作品を観ました。このような視点の映画は初めてでした」(50代・女性)
「『南総里見八犬伝』自体と曲亭馬琴の生涯が共に見られて満足でした」(30代・男性)
さらに、「南総里見八犬伝」はいつの時代にも通じる作品であることが本作で再認識できたという声もあり、その理由として普遍的な勧善懲悪の物語である点が挙げられている。
「200年も前にこれだけのファンタジー大作が日本から作られたのは本当にすばらしいと思う」(60代・女性)
「作者の想いや背景を感じることができてよかった。勧善懲悪という日本人の心が好きなテーマを追い求めているからこそ、いまの世の中でもゲームや漫画などに受け継がれているのがよくわかった」(40代・女性)
「キャラクターの魅力が秀逸で、人間の内面の醜さも美しさもすべてを感じられる話だと思う」(50代・女性)
「(「東海道四谷怪談」を書いた劇作家)鶴屋南北と馬琴との創作にかける姿勢のぶつかり合いがすべてを物語っていると思います。いまの時代にも通じるものがあり、人の世はいつも変わらないんだろうなと感じました」(40代・女性)
「すごい冒険ファンタジーの“虚”と、これぞ人生!って思うような“実”と、どちらもすごくいまっぽいというか、まったく昔の話という感じがしないなと思いました」(30代・女性)