「佐野くんは、すごく天然だったから驚きました(笑)」
――先ほど言われたように、同世代の俳優が結集してお芝居をする撮影も珍しいと思いますが、共演されて刺激を受けた点があれば教えてください。
「お芝居との向き合い方や感情の出し方が全員違うので、本当に勉強になりました。特に西垣くんと森久保を演じた倉(悠貴)くんは同い歳なので、それぞれ独自のアプローチをする2人からはすごく刺激をもらいました」
――続いて、告発によって裏の顔が暴かれる本作にちなんだ質問です。6名の中から、どなたかのあまり知られていない魅力や意外な素顔を告発してください。
「えー、なんだろう?難しいな。というのも、私が最初に抱いていたそれぞれのイメージと、会ってからの実際の印象は全員変わりましたから。清楚でおしとやかな感じの人なのかな?と思っていた美波ちゃんは、もちろんそういうところもあるけれど、とてもしゃべりますし、すごく明るくて、コミュニケーション能力が高い。九賀を演じた佐野(勇斗)くんはアイドルをやっている姿をよく見ていたのでカッコつけるタイプなのかな?って思っていたんですけど、すごく天然だったから驚きました(笑)」
――赤楚さんは表裏がなさそうな方ですけど、印象が変わりました?
「赤楚くんはしっかり共演経験があって、朝ドラの『舞いあがれ!』で1年間ずっと一緒だったので、その時の印象とそんなに変わらなかったんですけど、“えっ、こんな人いるんだ?”と思うぐらい、変わっているんです(笑)。選ぶワードやしゃべる内容がすごく独特で、すごくおじさんっぽいんです。そこがおもしろいんですけどね(笑)」
「自分の捉え方ひとつで世界は変わると思っている」
――ちなみに、山下さんがもし就職活動をすることになったら、どのように自己PRをしますか?
「6人一緒に取材を受けた時にみんな言ってくれたんですけど、場の空気を読む力はあるような気がするので、そのことを言うと思います。17歳ぐらいからアイドルグループでずっと集団行動をしてきて、後輩も先輩もいて、それまではひとりっ子ということもあり、わりと一匹狼タイプだったんですけど、自分でも知らないうちにみんなの様子を確認したり、周りの空気を意識するようになっていった気がします」
――エントリーシートの長所や特技を書く欄にはなんと書きますか?
「長所は、基本いつも笑顔で、どんな状況でもタフに、元気に頑張ることができるところだと思うので、それを書くと思います」
――これまでの人生でもこれは絶対に勝ち取りたいとか、絶対にセンターに立ちたいと思うようことがあったと思います、そうしたときに、願掛けであったり、自分の中でルーティンのように決めているようなことはありますか?
「私、ある意味マイペースの独自路線と言うか、人は人、私は私でいいという我が道を行くタイプで。周りを気にせず、自分がいいと思ったことをずっとやってきたような気がします」
――本作を実際にこれから就活する人たちにオススメしますか?内容が内容なので、就活生は観ないほうかいいと思いますか?
「リアルな就活ではここまで悪いことは絶対に起きないと思うので、観て、“こういう世界もあるんだな”という刺激を受けるのもいいと思います。就活って、自分と向き合うことじゃないですか。自分の長所や短所としっかり向き合いながら人生のターニングポイントを迎えることになるので、自己嫌悪に陥るかもしれない。けれど、短所も自分の個性だから、マイナスに思うことはなくて。自分の捉え方ひとつで世界は変わると私は思っているので、そんなこともこの映画を観ながら考えてみると、安心して就活に臨めると思います」
取材・文/イソガイマサト