池松壮亮、共演したピエール瀧への想いを吐露「人を罰する力以上に、許す力も必要なんじゃないか」

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池松壮亮、共演したピエール瀧への想いを吐露「人を罰する力以上に、許す力も必要なんじゃないか」

『宮本から君へ』の舞台挨拶で熱いスピーチをした池松壮亮
『宮本から君へ』の舞台挨拶で熱いスピーチをした池松壮亮

池松壮亮主演の人気ドラマを映画化した『宮本から君へ』(9月27日公開)の完成披露試写会が、8月22日に新宿バルト9で開催され、池松壮亮、蒼井優、井浦新、一ノ瀬ワタル、真利子哲也監督、原作者で本作に俳優としても出演している新井英樹が舞台挨拶に登壇。池松は、本作について「逆境に次ぐ逆境で」と、公開までにいろいろなことがあったと語り、共演者で、薬取締法違反容疑にて逮捕されたピエール瀧についての思いを吐露した。

池松は「この瞬間までなにを言うべきなのか、言わないべきなのか」と迷ったことを、苦渋に満ちた表情で語った。

「僕は共演者として、ピエールさんを一番近くで見てたんですが、あの人の目は本気でしたし、この作品にとんでもなく大きな力を注いでくれたと思っています。あの現場での日々は事実に変わりないし、かといってピエールさんが間違ったことをやったことにも変わりはないし。ただ、いろんな人がリスクを取ってくれて、こうやって公開する運びとなったことを改めて報告したいなと思っています」。

さらに池松は時折、言葉を詰まらせながら「私たちは人を罰する力を持つのであれば、もしかしたら、それ以上に、人を許す力も必要なんじゃないかと、個人的な見解を持っています。ピエールさんが、なんとか立ち上がって、また映画の現場で会えることを、いまはただ祈っています」とあふれる想いを口にした。

南海キャンディーズの山里亮太と結婚したばかりの蒼井には、会場から「結婚おめでとう」という声が挙がる。蒼井は笑顔を見せ「池松くんの話を聞いた時、自分の存在が不謹慎な気がしますが…」と言ったあとで「ピエールさんについて、なにかひとこと言えることがあるとしたら、私たちはこれからも、映画を作り続けるので、待ってるとも言えませんが、いままで一緒に楽しく、ものを作らせてもらったのは事実です」とコメント。

また、蒼井は本作について「生半可な気持ちでは立ち向かえない作品でした。すごい熱量の作品だったから、私たちもものすごい熱量でこの作品に挑まなければいけなくて、ボロボロになりながらみんなで挑んだと思ってます」と本作への情熱をアピールした。

全員でフォトセッション
全員でフォトセッション

池松のスピーチが続き、映画のクロストークの時間が少なくなったが、井浦は、2人のコメントを受け「ますます座長2人が大好きになりました」とコメント。原作者の新井は、真利子組を激賞し、本作は「真利子監督の手柄だ」と語って、自分の持ち時間を監督に譲った。真利子監督は恐縮しながらも「“全員野球だ”って言葉があって。新井さんの原作があってこその映画だと思っています。スタッフもキャストもみんなが一丸となってやりました」と力強く締めくくった。

『宮本から君へ』の原作は、新井英樹の同名コミック。金なし、コネなし、勝ち目なしだが、情熱だけは半端ない熱血営業マン、宮本浩(池松壮亮)が、愛する恋人、中野靖子(蒼井優)のために、“絶対に勝たなきゃいけないケンカ”に挑む。

取材・文/山崎 伸子

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