今度は”BB級“ヒーロー!?ジェームズ・ガンが作るユニークで“クセ強すぎ”なヒーロー映画たち
自分勝手な負け犬たちがヒーローチームを結成!『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』
ガンのヒーロー映画の最大の特徴といえば、これまでの作品もそうだが、社会からあぶれた負け犬たちが主人公というところ。その点が最も色濃く出ているのがご存知『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズだ。
様々な事情を抱えた、はみ出し者たちがチームを組み銀河の危機を救うという本作。全員が犯罪者であるがゆえに嬉々として悪いことをしたりという清廉なヒーローたちとは真逆のキャラクター像が観ていて楽しく、そんな個性が強すぎるが故になかなかうまく噛み合わない彼らだからこそ、一つのチームとしてまとまっていく様子も感動的だ。
過去の不適切な言動により、一時期マーベルから外されていたガンだが、またカムバックし『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の3作目を手掛けることも決まっており、そちらもいまから楽しみだ。
もろに「スーパーマン」かと思いきや…『ブライトバーン/恐怖の拡散者』
そしてこのたび公開となった『ブライトバーン/恐怖の拡散者』は、スーパーパワーを持つ子どもが悪に目覚め、とある田舎町を恐怖のどん底に突き落とすというホラーだ。子どもに恵まれない夫婦の自宅近くに宇宙から飛来物がやってくるとその中には赤ちゃんが眠っており…というまさに「スーパーマン」を思わせるような展開で幕をあけたかと思えば、徐々に力に目覚めと一気にホラーな展開へと加速してく。
目からビームを出したり、空を自由に飛べたりというまんま「スーパーマン」な能力を活かしたアクションは見応え抜群。さらに主人公が学校でいじめられており、世間からあぶれているというキャラクター像や闇落ちのきっかけが女の子などのこじんまりとしたスケール感、そして畳み掛けるような情け容赦ないゴア描写など、ガンらしいテイストも詰めこまれている。アンチヒーロー的な姿勢の意欲作となっているので、ぜひスクリーンでチェックしてほしい。
これらの作品のほかにも、ヒーローではなくヴィランたちのチームを描くDCの『スーサイド・スクワッド』(16)の続編も手掛けるなど、我が道を突き進みまくるジェームズ・ガン。今後の活躍にも大いに期待だ!
文/トライワークス
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価格:4,000円+税
発売・販売元:ウォルト・ディズニー