Netflixが圧巻の17部門!ゴールデン・グローブ賞ノミネーション発表、賞レースの目玉は『パラサイト』

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Netflixが圧巻の17部門!ゴールデン・グローブ賞ノミネーション発表、賞レースの目玉は『パラサイト』

【写真を見る】昨年は『ボヘミアン・ラプソディ』が席捲したGG賞、今年のノミネート作品は?
【写真を見る】昨年は『ボヘミアン・ラプソディ』が席捲したGG賞、今年のノミネート作品は?写真:SPLASH/アフロ

現地時間12月9日、第77回ゴールデン・グローブ賞のノミネーションが発表になった。昨年は賞レース向きの作品ではないと思われていた『ボヘミアン・ラプソディ』がゴールデン・グローブ賞<ドラマ部門>作品賞とラミ・マレックが主演男優賞を受賞し、アカデミー賞へ一気に駆け上がって行った。「いい作品は多いが本命がない」と言われる今年は、ノア・バームバック監督のNetflixオリジナル映画『マリッジ・ストーリー』(配信中)が<ドラマ部門>作品賞、主演女優賞、主演男優賞など最多6部門、同じくマーティン・スコセッシ監督のNetflixオリジナル映画『アイリッシュマン』(配信中)、クエンティン・タランティーノ監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(公開中)が5部門、トッド・フィリップス監督の『ジョーカー』(公開中)が4部門と続く。スタジオ別では、映画部門でNetflixが17部門、ソニー・ピクチャーズが8部門、ディズニーとワーナーが6部門。ドラマ部門でもNetflixが「ザ・クラウン」など17部門、HBOが「チェルノブイリ」など15部門となっている。作品数が多いので当然の結果かもしれないが、今年もNetflixが圧巻のノミネート数を記録している。

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外国語映画賞には『パラサイト 半地下の家族』(20年1月10日公開)がノミネートされ、ポン・ジュノ監督が初選出された。『パラサイト』は外国語映画賞のほか、監督賞(ポン・ジュノ)、脚本賞(ポン・ジュノ/ハン・ジヌォン)でもノミネートされている。中国系アメリカ人のルル・ワン監督による『フェアウェル』(20年春公開)はアメリカ製作にも関わらず、劇中会話のほとんどが中国語のため外国語映画賞にカテゴリー分けされたのだろう。ちなみに、アカデミー賞の国際長編映画賞には米国籍映画は含まれない。

ゴールデン・グローブ賞は映画部門でも<ドラマ部門>と<ミュージカル/コメディ部門>、そしてテレビ部門もあり、幅広い作品がノミネートされている。現在、第92回アカデミー賞に向けて、ショートリスト制を採用している国際長編映画賞、長編ドキュメンタリー賞、技術部門などで投票が行われているところなので、このノミネート結果は多少なりとも影響を与えると見られている。アカデミー賞のノミネート投票は2020年1月2日から7日、ゴールデン・グローブ賞授賞式はちょうど投票期間中の1月5日に行われる。

今年の賞レースの目玉は、なんといっても『パラサイト』。ゴールデン・グローブ賞でも3部門にノミネートされ、昨年のアルフォンソ・キュアロン監督の『ROMA/ローマ』のようにハリウッドを席巻中だ。この週末に発表されたロサンゼルス映画批評家協会賞は、作品賞、監督賞、助演男優賞(ソン・ガンホ)に『パラサイト』を選んでいる。外国語映画賞はゴールデン・グローブ賞にもノミネートされているペドロ・アルモドバル監督の『Painand Glory(英題)』。

外国語映画賞には『パラサイト 半地下の家族』がノミネート
外国語映画賞には『パラサイト 半地下の家族』がノミネート[c]2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED

ただし、ロサンゼルス映画批評家協会賞は同じハリウッドでありながら意見が分かれることで知られていて、約1週間前に発表されたニューヨーク映画批評家協会賞とも異なる。ニュヨーク映画批評家協会賞は、作品賞に『アイリッシュマン』、監督賞は『Uncut Gems(原題)』のサフディ兄弟、『パラサイト』は外国語映画賞が受賞している。これから1か月あまり、アカデミー賞の行方を巡ってさらなるキャンペーンが繰り広げられることだろう。

第77回ゴールデン・グローブ賞は2020年1月5日(現地時間)に行われる。

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