批評家が選ぶ、DC映画ランキング!おすすめの“フレッシュ”な10選
DCを象徴する二大ヒーロー、バットマンとスーパーマンの作品が批評家からも人気を集めているようだ。とりわけ上位10作品に3部作すべてがランクインを果たしたクリストファー・ノーラン監督の「ダークナイト」シリーズは、ダークな雰囲気と高いドラマ性を携え、それまでのアメコミヒーロー映画のイメージを大きく覆す重要な作品だったといえよう。その3部作のなかでも、94%フレッシュを獲得した『ダークナイト』はやはり別格中の別格。全米公開を半年後に控えた2008年1月22日に28歳の若さで急死したヒース・レジャーが演じたジョーカーは、映画史上に残る悪役として今後も語り継がれていくにちがいない。
また同じく94%フレッシュを獲得した『スーパーマン』は、言うまでもなく20世紀のヒーロー映画の定番中の定番。本作でもっとも注目すべきは錚々たる顔ぶれが集結した脚本チーム。「ゴッドファーザー」シリーズの原作者で脚本も務めたマリオ・プーゾに、本作の翌年『クレイマー、クレイマー』(79)でアカデミー賞監督賞と脚本賞をダブル受賞するロバート・ベントン、ベントンと共にアメリカンニューシネマの名作『俺たちに明日はない』(67)の脚本を手掛けたデヴィッド・ニューマンと、その妻のレスリー・ニューマン。
そしてハリウッドを代表する偉大な監督を父に持つトム・マンキーウィッツ。ベントン以外が続投した『スーパーマンII 冒険篇』も必見の作品で、こちらはリチャード・レスター監督による劇場公開版と、1作目を手掛けたリチャード・ドナー監督が続投した『リチャード・ドナーCUT版』があるので、それぞれ観比べてみるのも楽しいだろう。
そしてDCEU作品からは『ワンダーウーマン』と『シャザム!』の2作品がランクイン。女性だけの島で生まれ育ったプリンセス・ダイアナが、最強の戦士として奮闘する様を描いた『ワンダーウーマン』は、公開時に世界中で社会現象級のメガヒットを記録。
まだ観ていないという方は、続編『ワンダーウーマン1984』(近日公開)を観る前にほかのDCEU作品とあわせて一気にチェックしてほしい。また、突然スーパーヒーローになる力を手に入れた少年の活躍をコメディ色全開で描きだした異色のヒーロー映画『シャザム!』も、2022年に続編の公開が予定されている。
他にも人気アニメシリーズの映画版『ティーン・タイタンズGO! トゥ・ザ・ムービー』や『レゴバットマン・ザ・ムービー』といったアニメ作品、さらにはDCコミックスレーベルの「パラドックス・プレス」から出版されたグラフィックノベルをデヴィッド・クローネンバーグ監督が実写化したバイオレンス映画『ヒストリー・オブ・バイオレンス』も高評価を獲得。王道のヒーロー映画はもちろん、大人向けのダークな作品など幅広いラインナップを擁するDC作品のなかから、お気に入りの一本を探してみてはいかがだろうか。
文/久保田 和馬