市川海老蔵、父・市川團十郎との映画共演に感謝「言葉では言い表せない」

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市川海老蔵、父・市川團十郎との映画共演に感謝「言葉では言い表せない」

市川海老蔵主演の時代劇『利休にたずねよ』(12月7日公開)がついに完成。7月10日に新宿バルト9で完成披露試写会が行われた後、完成報告会見に市川海老蔵、中谷美紀、田中光敏監督が登壇。利休の師・武野紹鷗役に市川團十郎が特別出演をしているが、海老蔵は亡き父について「出演してくださって、言葉では言い表せないものがありました」と、言葉をかみしめた。

海老蔵は、主人公の稀代の茶人・千利休を演じ、中谷美紀が、妻・宗恩役に扮する。海老蔵は完成した映画について「良い映画だなと思った。時系列がありつつも、千利休という固定観念が外れていく。夫婦関係、信長、秀吉の対立。僕は自分の映画を見て泣かないし、えこひいきで見たわけじゃないけど、最後、涙が出た。僕の中では新しかった」と手応えを口にした。

共演の中谷は、「利休さんを演じるのが平成の狼藉者の海老蔵さんなので、反対する意見もありました」と、ちくりと海老蔵をいじりつつ「どんな困難があろうとも、この作品を良い作品にしようと思いました」とコメント。その後、「海老蔵さんのお芝居を見ていて、涙が出てしまうポイントが3か所ほどございました」と、海老蔵の熱演を称えた。

市川團十郎のキャスティングについて田中監督は「利休の背中を押す先輩茶人は誰か?ってことで、ダメモトで話を持っていきました。大変な時期でしたが、良い形で出ていただきました」と明かした。海老蔵は、「父とは師弟関係でありながら『今回、あなたが主役なので、出させていただきます』と言われて。 武野紹鷗の資料を山のように積み、こだわって役作りをしていました」と振り返る。さらに、現場で田中監督の演出に従順だった父に驚いたと言う。「怖かった。今まではなかったことですから。この映画が公開する時、もう命がないんじゃないかと、いささか感じていたんじゃないかと」と、感慨深い表情で語った。

『利休にたずねよ』の原作は、希代の茶人の出発点を描き、第140回直木賞を受賞した山本兼一の同名小説。利休が残した謎と、秘め続けた恋を描く、極上のミステリーとなっている。海老蔵たちの他にも、利休に惚れ込む織田信長役に伊勢谷友介、天下人・豊臣秀吉役に大森南朋と、豪華な布陣に期待が高まる。【取材・文/山崎伸子】

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