原作ファンも唸る完成度!「連続ドラマW 沈まぬ太陽」「連続ドラマW マークスの山」に共通するキーワード【レコメンW】
映画並みのスケールと、海外ドラマばりの中毒性…そんなドラマ、観たくありませんか?
WOWOWが贈るオリジナルドラマには、映画ファンや海外ドラマファンが、日本のテレビドラマに感じてきたであろう“物足りなさ”を払拭するような作品が目白押し。
この連載企画「レコメンW」では、映画ファンの代表として映画プラットフォーム「MOVIE WALKER PRESS」の編集部、海外ドラマファンの代表として雑誌「DVD&動画配信でーた」の編集部がタッグを組み、必見のWOWOWのオリジナルドラマをレコメンドしていきます。
「日本のドラマはあんまり…」と思っている映画ファンも、海外ドラマファンも、この連載を読めばWOWOWのオリジナルドラマの魅力に気づくこと間違いなし。第9回となる今回は、「MOVIE WALKER PRESS」編集部の武野が「連続ドラマW 沈まぬ太陽」(全20話)と「連続ドラマW マークスの山」(全6話)の必見理由をご紹介します!
WOWOWのオリジナルドラマ「連続ドラマW」って?
WOWOW独自のドラマ製作プロジェクトとして2003年にスタートした長編ドラマ枠「ドラマW」。市川崑監督や大林宣彦監督ら日本映画界のレジェンドたちが手掛けた作品は大きな話題を呼び、2008年からは連続ドラマ枠「連続ドラマW」の製作も開始。濃密な人間ドラマから骨太な社会派ドラマ、映画スケールのアクションや本格ミステリーなど幅広いジャンルの作品を次々と生みだし、これまで「東京ドラマアウォード」や「日本民間放送連盟賞」など数多くの賞を受賞している。
今回レコメンドするのは「連続ドラマW 沈まぬ太陽」&「連続ドラマW マークスの山」!
WOWOW開局25周年を記念して制作された「連続ドラマW 沈まぬ太陽」は、「白い巨塔」や「華麗なる一族」など、これまで数多くの著作が映像化されてきた山崎豊子による晩年の大ベストセラー小説を原作に、「ドラマW」史上最長の全20話で構成。アフリカや中東での海外ロケを敢行するなど、巨大企業のなかで信念を貫き通す男たちの姿がかつてないスケールによって描きだされていく。
日本を代表する大企業の国民航空に勤める恩地元(上川隆也)は、労働組合委員長・八馬(板尾創路)から次期委員長を押し付けられる。同期で副委員長の行天四郎(渡部篤郎)とともに、劣悪な労働環境の改善を目指し、労働条件をめぐって堂本取締役(國村隼)ら経営陣と激しく対立を繰り返すなか、人員不足を原因とした死亡事故が発生。恩地は会社始まって以来のストライキを断行する。しかし、なんとか譲歩を勝ち取ったものの、報復人事でパキスタンへの転勤を言い渡された恩地。一方で行天は組合側と手を切り、労務担当幹部に取り入りながら自らの理想を追い求めることを決意する。僻地でも自身の決めた生きかたを頑なに変えようとしない恩地は、イランのテヘランやケニアのナイロビを転々とし、数年が経っても本社への復帰が叶わずにいた。そんななか、国民航空の飛行機の事故が相次いで起きてしまう。
また、第109回直木賞や「このミステリーがすごい!」1994年国内編第1位など、様々な文学賞に輝いた高村薫の警察小説をドラマ化した「連続ドラマW マークスの山」は、ある殺人事件を担当することになった警視庁捜査一課七係の合田雄一郎警部補(上川隆也)が、警察上層部からの圧力を受けながらも意地とプライドをかけて、“マークス”と名乗る見えざる敵を追う姿を描きだす。
「連続ドラマW」で様々な傑作を世に送りだしてきた水谷俊之と鈴木浩介の演出、前川洋一の脚本によるチームのもと上川が主演を務め、日本を代表する女流作家のベストセラーを原作にしているという点で共通している両作品は、どちらも重厚なテーマと緻密な人物描写が光り、地上波ドラマでは不可能といわれたスケールに挑んだ、まさに「連続ドラマW」の真骨頂。そんな両作の見どころとなる“3つのポイント”を、類似したテーマを持つ映画作品と絡めながらレコメンドしていこう。