「ついに怪獣王を決める時が来た」『ゴジラvsコング』監督が明かす、勝敗を明確に描いた理由

インタビュー

「ついに怪獣王を決める時が来た」『ゴジラvsコング』監督が明かす、勝敗を明確に描いた理由

ついに日本公開されるや初登場1位を記録し、大ヒットを続けている『ゴジラvsコング』(公開中)。日米映画界を代表するスーパースターのゴジラとコング、そしてメカゴジラが激突する本作は、地球規模で怪獣バトルを展開する一大プロジェクト「モンスターバース」の最新作。
これまでのシリーズの集大成ともいえる本作の監督に抜擢されたのが、伝説的ホラー映画のリメイク『ブレア・ウィッチ』(16)や、日本の大ヒットコミックのハリウッド映画化『Death Note/デスノート』(18)のアダム・ウィンガード。幼い頃からゴジラやコングを観て育ったというウィンガードに作品制作の舞台裏や、ついに勝敗がついたゴジラとコングをはじめ、怪獣たちへの熱き思いを聞いた。

「撮影前に、“怪獣クラブ”でいろんなことを教わりました」

インタビューに応えてくれたアダム・ウィンガード監督
インタビューに応えてくれたアダム・ウィンガード監督写真:SPLASH/アフロ

これまで低予算映画を中心にキャリアを積んできたウィンガードにとって、今作は初のブロックバスター。未体験のフィールドにどんな気持ちで臨んだのだろうか。「もともと『スター・ウォーズ』や『エイリアン』などSF大作が大好きで、そこを目指して低予算映画を作ってきましたので、とてもエキサイティングな体験でした。頭に浮かんだアイデアを予算に合わせ削らなければ成立しない低予算映画に対し、今回の予算は使い放題(笑)。頭に浮かんだアイデアすべてにトライすることができたので、充実した監督体験でしたね」。

そんなウィンガードに助言をしたのが、歴代モンスターバースの監督たちだった。「僕がオファーを受けた少しあと、『GODZILLA ゴジラ』のギャレス・エドワーズ、『キングコング: 髑髏島の巨神』のジョーダン・ヴォート=ロバーツ、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』のマイケル・ドハティと“怪獣クラブ”というグループチャットを始めたんです」とウィンガード。「みんなでジョーダンの家に集まって、タコスを食べながら映画の話をしたのがきっかけで、チャットを通して怪獣映画を撮るコツからブロックバスターのお作法、背筋も凍る現場での裏話など、撮影前にいろんなことを教わりました」。

クライマックスを否応なしに盛り上げる、メカゴジラの登場
クライマックスを否応なしに盛り上げる、メカゴジラの登場[c]2021WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. & LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC.

ストーリー作りは、ローランド・エメリッヒ版『GODZILLA/ゴジラ』(98)や『シュレック』(01)、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのテリー・ロッシオを中心に行われた。監督に就任した時点はまだアウトラインの段階だったため、ウィンガードもアイデアを提供したそうだ。「クライマックスに登場するある兵器の操縦席は僕のアイデアだし、コングを南極に移送する時ヘリコプターを使ったのもそう。あれは気球でコングを運んだ『キングコング対ゴジラ』へのオマージュなんです。この時代に気球を使うわけにはいかないのでヘリにしました。コングが斧を使うのもそうで、最初はちょっとした小道具のつもりでしたが、最終的に大きな役割を果たすアイテムになりました」とふり返る。ちなみにコングが心を通わせる少女ジアの設定や、バーニー・ヘイズの陰謀論などは、ドハティのアイデアだという。

コングと心を通わせる少女、ジア(ケイリー・ホトル)
コングと心を通わせる少女、ジア(ケイリー・ホトル)[c]2021WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. & LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC.

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