『ゲット・アウト』『透明人間』から『ハロウィン KILLS』へ…“ブラムハウス”が映画ファンを魅了する理由
1978年に誕生したジョン・カーペンター監督の傑作『ハロウィン』、2018年に劇的に甦った『ハロウィン』に続く、注目のシリーズ最新作『ハロウィン KILLS』がいよいよ日本公開となった。欧米諸国をはじめ世界中で、ハロウィンシーズンの顔として、観る者を恐怖におののかせてきた本シリーズ。近年では人気ホラーサバイバルゲーム「Dead by Daylight」ともコラボし、シリーズを象徴キャラクターである殺人鬼マイケル・マイヤーズと、戦うヒロインのローリーが映画の枠を超えて広く親しまれている。
『ハロウィン KILLS』の物語は、前作と同じ年のハロウィンの夜から幕を開ける。重傷を負ったローリー(ジェイミー・リー・カーティス)は、娘のカレン(ジュディ・グリア)と孫のアリソン(アンディ・マティチャック)に付き添われて病院に緊急搬送される。一方、事情を知らない消防隊に助けだされてしまったマイケルは、隊員たちを皆殺しにして、さらなる殺戮を開始する。そう、悪夢の夜は、まだ終わっていなかったのだ。一方、ハドンフィールドの街はマイケルの出現により、40年前のトラウマを掘り起こされる。バーに集っていた人々は惨劇のニュースを知り、自警団を組織していまこそマイケルに復讐しようと躍起になる。不穏な空気と緊張は、やがて想像を絶する事態をハドンフィールドの街にもたらしていく…。
2018年の『ハロウィン』と今作の両方で製作を手掛けたのは、ブラムハウス・プロダクション。そう、いまやハリウッド製ホラーの台風の目となっている製作会社だ。映画ファンならばご承知のとおり、「パラノーマル・アクティビティ」シリーズの大ヒットで注目された同社は、2000年代後半以降、映画界で幾度となく旋風を巻き起こしてきた。本稿では、そんなブラムハウスが満を持して送りだした本作の魅力を、優れたフィルムメーカーたちにフォーカスを当てながら解き明かしていく。