批評家が選ぶ、キアヌ・リーヴス出演作ランキング!『マトリックス』『ジョン・ウィック』ら“フレッシュ”なおすすめ10選
最も高い評価を獲得しているのは、キアヌ・リーヴスの名を世に知らしめたヤン・デ・ボン監督の大ヒット作『スピード』の94%フレッシュ。ロサンゼルスを舞台に、時速80キロを下回ると爆発する爆弾を路線バスに仕掛けた爆弾魔と、それを阻止するためにバスに乗り込んだリーヴス演じるSWAT隊員のジャックの熾烈な攻防がノンストップで展開していくアクション大作だ。
その大ヒットを受けて続編『スピード2』(97)も製作されたが、リーヴスは出演せず。当時は別の作品への出演が決まっていたことを理由としていたが、近年になって2作目の脚本に惹かれなかったからであると告白。そのリーヴスの読み通り、2作目の興行成績は1作目の半分にも満たず、批評家からの評判も壊滅的なものとなった。
上位には『スピード』よりもさらに以前に出演したキャリア初期のタイトルが並ぶ。スティーヴン・フリアーズ監督の『危険な関係』や、ロン・ハワード監督の『バックマン家の人々』、ケネス・ブラナーが監督・主演を務めた『から騒ぎ』。また上位10本に入らなかった作品でも、キャリア初期にはフランシス・フォード・コッポラ監督やベルナルド・ベルトルッチ監督、ガス・ヴァン・サント監督の作品に出演しており、早い段階で名だたる監督たちから認められていたことがよくわかる。
そんなリーヴスと言えば、前述したように3つの代表シリーズに触れずにはいられない。まずはアクションスターとしてその名を轟かせた「マトリックス」シリーズと、同作でスタントマンを務めていたチャド・スタエルスキがメガホンをとった「ジョン・ウィック」シリーズ。そしてキャリア初期に出演し、2020年に約30年ぶりに復活した「ビルとテッド」シリーズ。SF、アクション、コメディと娯楽性が極めて高いジャンルでそれぞれ代表作を持つことが、リーヴスの人気を下支えしているのだろう。
そのなかでも特に目を見張るのは、「ジョン・ウィック」シリーズの既存3タイトルすべてが高評価を獲得していることだ。マーシャル・アーツやカンフーなどを取り入れた硬派なアクションと、数々の伝説を残す孤高で凄腕の殺し屋というジョン・ウィックのキャラクター設定が見事にリーヴスのイメージにマッチし、「マトリックス」以降なかなか作品に恵まれなかったリーヴスの“救世主”となったことは言うまでもない。ちなみに『マトリックス:レザレクションズ』(日本公開中)には、スタエルスキがさりげなく出演しているのも両シリーズのつながりの深さを感じさせる。
その「ジョン・ウィック」は第4作が2023年公開に向けて編集作業が行われている真っ最中であり、第5作も準備中と、まさにリーヴスのキャリアにおける最重要作品となりつつある。また2022年公開予定のDCのアニメ映画『DC League of Super-Pets』への声の出演も決まっているリーヴス。DC作品とリーヴスの組み合わせといえば、カルト的人気を誇る『コンスタンティン』(05)があり、リーヴス自身はその続編にも強い意欲をのぞかせているとか…。また新たな代表シリーズが誕生するのか、期待しながら今後の活躍に注目していきたい。
文/久保田 和馬