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声優・かかずゆみ&キャラデザ・丸山宏一が紐解く、しずかちゃんの“普遍的ヒロイン力”!かわいく描くコツも伝授

インタビュー

声優・かかずゆみ&キャラデザ・丸山宏一が紐解く、しずかちゃんの“普遍的ヒロイン力”!かわいく描くコツも伝授

「85年公開の『のび太の宇宙小戦争』のしずかよりも、今回はより力強い走り方をしています」(丸山)

1985年版で、しずかちゃんが戦いに向かうシーン。時代ごとに変化も生まれている
1985年版で、しずかちゃんが戦いに向かうシーン。時代ごとに変化も生まれている[c]藤子プロ・小学館・テレビ朝日1985

――時代が流れるごとに「ドラえもん」のキャラクターデザインにも変化が生まれています。2005年にはメインキャラクターの一斉交代と共に、絵柄の面でも大幅なリニューアルが行われました。その際、丸山さんはメインキャラクター設定のスタッフとして関わっていらっしゃいますが、当時はどのような話し合いがされたのでしょうか。

丸山「キャラクターデザインの前任者である渡辺歩さんが、原作をベースにしたキャラクター表を用意していまして。原作をベースにした新シリーズを作る、ということが決まっていました。僕自身、原作の絵が大好きで。ドラえもんに関しても原作を見ながら、ヒゲの位置にも注意して漫画に近づけようとしています。ただ原作の漫画の通り描くと、アニメとしては動きが硬くなってしまいます。原作のよさをアニメにするにはどうしたらいいのか、ということをずっと考えながら試行錯誤してきました。悩んだ時は、どうやってその点をクリアしていたんだろうと以前のシリーズの『ドラえもん』を観返してみたりしています。例えば、僕は『映画ドラえもん のび太のワンニャン時空伝』の作画が好きなので『あの作画の雰囲気をいただこう』と思ったり(笑)。ぜいたくではありますが、原作の画、以前のシリーズの画、新しい要素もすべて混ぜながら、どの世代の方が観ても違和感のない、『これがドラえもんだ』と思ってもらえるようなシリーズにしたいなと思っていました」

――しずかちゃんに関しては、どのような変化が生まれたのでしょうか。『のび太の宇宙小戦争』と今回のしずかちゃんでは、こういった違いが見られるという点がありましたら教えてください。

丸山「以前のアニメシリーズのしずかは、茶色の髪をしていました。そこは僕が『原作のまま、ぜひ黒髪にしたい』と話して、2005年からは黒髪のしずかになっています。『のび太の宇宙小戦争』でいうならば、後半にかけて内容がハードになり、アクションも増えてきます。しずかに関しても本気で走ったり、戦車に乗り込んだりと、勇ましい部分がたくさん見えてきます。とはいえ旧『宇宙小戦争』のしずかは、若干おしとやかなんですね。今回の作品のほうが走り方含め、力強さが増していると思います。またそれは声によって一層、説得力が増していますね。まだ画が入っていない段階で予告編の収録をしていただきましたが、今回は予告編の段階で、しずかが『私だって怖いわよ』と話す場面が入っていました。実は、その声を聴いて『後半のしずかはこういった感じで行けばいいんだな』とつかめたんです。本当に助かりました(笑)」

かかず「そうなんですか!?原作を読んで収録に臨みましたが、丸山さんがそんなふうに感じてくださっていたなんて!」

――声優さんのお芝居から刺激を受けて、それを画にも反映されていったのですね。


2005年からしずか役を演じている声優のかかずゆみ
2005年からしずか役を演じている声優のかかずゆみ

丸山「かかずさんの演じるしずかは、芯の強さがきちんと表現されているなと思うんです。かわいいだけではなく、しずかは自分をしっかりと持っているんだなと感じることができます」

かかず「ものすごくうれしいです。実はこうやって丸山さんときちんとお話しさせていただくのは初めてで、本当に貴重な機会になりました。画部門、声部門からしずかについてお話しすることができて、さらに身の引き締まる思いがしています。丸山さん、改めて今後ともよろしくお願いいたします!」

丸山「こちらこそです(笑)。自分たちの画しか入っていない段階で作品を観ると、『もっとこうしたいな』など粗ばかり見えてきてしまうものなんですが、声や音楽が入ると『映画になったな』と感じられて。皆さんのお芝居にもいつも感動させてもらっています」

――「しずかちゃんにはかわいいだけではない魅力がある」というお話がありましたが、最後にあえて「本作のここのしずかちゃんはものすごくかわいい!」と思われるシーンを教えてください。

かかず「クライマックスのアクションシーンで、しずかが敵からお尻に向けて攻撃をされるシーンがあります。そこで『キャッ!』と驚くしずかは、とてもかわいいと思います。原作にもありましたが、今回もあのシーンは健在です(笑)」

丸山「序盤のほうになりますが、しずかがパピにドールハウスを開けて見せてあげるシーン。ドールハウスの横からしずかが顔をのぞかせるんですが、そこはお姉さんぽい表情になるように、少しだけ流し目のような目をしています。自分でもうまく描けたなと思っているシーンです(笑)」

かかず「しずかには、母性本能がありますよね。そういった一面とみんなのためにと戦う勇ましい一面。その両方が見られるのが、『のび太の宇宙小戦争』だなと感じています」

取材・文/成田おり枝

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