サプライズに満ちた“新バットマン”誕生に立ち会え!『THE BATMAN-ザ・バットマン-』はディテールまで鮮明な“IMAX推し”
『ジョーカー』(19)の衝撃から3年、『THE BATMAN-ザ・バットマン-』がいよいよ本日公開となった。本作で描かれるのは、最狂の知能犯リドラーを追っていたバットマンが自身と家族にまつわる隠された真実に行きあたる物語で、バットマンの心の闇や秘密を暴きだす、これまでにないスキャンダラスなヒーロー映画だ。本稿では、ダイナミックなアクション&スペクタクルはもちろん、謎解きミステリーのおもしろさ、濃厚な人間ドラマなど見どころの多い本作を鑑賞するのに、IMAXスクリーンこそが相応しいと言える理由を解き明かしていこう。
ハンドメイドの素材感も新しい!新生バットスーツのディテールに注目
まず目を引くのが、漆黒のバットスーツだ。超人パワーを持たない生身のヒーローであるバットマンにとって、攻撃から身を護るバットスーツはライフラインともいえる存在。歴代バットマンたちは、鋼のように頑丈な特製の防護服をまとっていた。
今作にもハイテク素材と防弾プレートを組み合わせたバットスーツが登場するが、ウェイン・カンパニーと関わりを持たず完全に個として活動している新生バットマンは、かっこよさより機能性や丈夫さファーストの模様。頑丈なだけでなく、ワイヤーを発射するグラップルガンやナイフなどの武器を装備し、マントと組み合わせて宙を飛ぶウイングスーツになるワザありの機能も持っている。装飾に凝らないハンドメイドの味わいや素材感はもちろん、数々の傷や補修跡など、暗い場面での登場が多いスーツのディテールをじっくりと確認できるのは、映像を鮮明に観ることができるIMAXスクリーンならではだろう。
バットモービルの激走シーンは、音響効果でさらに臨場感アップ!
そんな“手作り感”はバットモービルにも表れている。今作のバットモービルは、スーパーウェポンのようだった「ダークナイトトリロジー」から一転し、クーペをベースしたカスタムカーのようなルックス。変形や分離といった特殊なギミックはいっさい持たず、ブルースがガレージ(バットケイブ)で自ら改造した感が漂っている。シンプルだが「悪党どもを地獄の果てまで追い詰める」というブルースの想いが伝わってきそうな、巨大なエンジンむきだしの荒々しい見た目が勇ましい。
そんなバットモービルは、逃走するペンギンと超過激なカーチェイスを繰り広げる。対向車線に飛びだしながらパワーとスピードの限界に挑んだ激走は、車載カメラも多用した映像によって、IMAXの巨大スクリーンで味わうとその場にいるような臨場感に。エンジンが炎を噴きながら放つ暴力的な重低音、巨大なタイヤが上げるかん高い悲鳴など、迫真のサウンドはIMAXの威力が強く実感できるポイント。また、クリアな音質もIMAXならではの魅力だが、前述のような大音響だけでなく、キャラクターたちの息づかいや衣服の衣ずれ、床のきしみ、紙のこすれる音などの些細な効果音までがはっきりと聞き取れ、作品世界に奥行きを与えていた。