赤楚衛二&町田啓太が歩んだ、俳優としての道のりと『チェリまほ THE MOVIE』に至る“軌跡”
豊田悠の人気コミックを原作に、2020年10月期に放送され社会現象を巻き起こしたテレビドラマ、「チェリまほ」こと「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」。その劇場版となる『チェリまほ THE MOVIE〜30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい〜』が4月8日から公開され、ドラマ最終回後に“チェリまほロス”となったファンを中心に熱烈な支持を集めている。そんな本作を語るうえで欠かせないのは、やはり主人公カップルの安達と黒沢を演じる赤楚衛二と町田啓太の好演。そこで本稿では、二人が「チェリまほ」との出会いから『チェリまほ THE MOVIE』までに辿った、俳優としての軌跡を辿っていきたい。
本作で大ブレイク!赤楚衛二&町田啓太の役者としての歩み
童貞のまま30歳を迎えた冴えないサラリーマンの安達が、“触れた人の心が読める”魔法を手に入れることから始まるテレビドラマ版の「チェリまほ」。ひょんなことから社内の人気者で仕事もできる同期の黒沢に触れ、彼が自分に恋心を寄せていることを知ってしまう。初めはその好意に戸惑いを持ちながらも、次第に真っ直ぐな想いに心動かされていった安達は黒沢と交際をスタート。一時は気持ちがすれ違うこともあったが、改めてお互いの気持ちを確認しあい、晴れて恋人同士になり幕を降ろした。
安達役の赤楚が本格的に俳優としての活動を開始したのは2015年。多くの若手俳優を輩出した「表参道高校合唱部!」や2017年放送の「仮面ライダービルド」で頭角をあらわし、『思い、思われ、ふり、ふられ』(20)では浜辺美波や北村匠海らと共に主演を務めた。一方町田は、劇団EXILEのメンバーとして「HiGH&LOW」シリーズや連続テレビ小説「花子とアン」など、映画やドラマ、舞台など多種多様なフィールドで活躍してきた。
本作で共にブレイクを果たした後も、2人は役の幅を固定することなく、幅広い作品で経験を重ね、着実にステップアップしていく。赤楚は大胆な特殊メイクでひねくれものの妖怪・天邪鬼を演じた『妖怪大戦争ガーディアンズ』(21)や、人気韓国ドラマを日本版にリメイクした「彼女はキレイだった」でキーパーソンを好演。町田は、Netflixオリジナルシリーズ「今際の国のアリス」では金髪かつ粗暴な役柄と大きなイメージチェンジを図り、一方で大河ドラマ「青天を衝け」では土方歳三役を務めるなど、硬軟を見事に演じ分けている。
このように、常に役者として幅を広げようとしてきた2人であればこその、時にポップ、時にエモーショナルに変化し続ける空気感が、物語の世界観やそれぞれのキャラクターと絶妙な化学反応を起こし、本作の魅力を高めることにつながったと言えるだろう。
そして再共演を求めるファンの声が届いたのか、2021年秋に放送された「SUPER RICH」で二人は再タッグ。貧しい学生からメキメキと成長していく春野優役を演じた赤楚、江口のりこ演じる主人公の氷河衛を献身的に支える宮村空役の町田と、2人は恋のライバルを演じ切り、共演シーンがあるたびにSNSを大いに沸き立たせた。