「ソー」最新作はガンズ、「アイアンマン」はAC/DC…ツェッペリン、ニルヴァーナをフィーチャーしてきたMCU史をプレイバック - 2ページ目|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
「ソー」最新作はガンズ、「アイアンマン」はAC/DC…ツェッペリン、ニルヴァーナをフィーチャーしてきたMCU史をプレイバック

コラム

「ソー」最新作はガンズ、「アイアンマン」はAC/DC…ツェッペリン、ニルヴァーナをフィーチャーしてきたMCU史をプレイバック

レッド・ツェッペリンのワイルドなビートがマッチした『マイティ・ソー バトルロイヤル』

ハードロックに話を戻そう。トニー・スターク以外に、このジャンルが似合うキャラクターといえば、これはもうソー(クリス・ヘムズワース)に尽きる。豪快な性格には豪快なギターフレーズがよく似合う、というワケだ。ピーター・パーカーが間違えたレッド・ツェッペリンは、シリーズ3作目『マイティ・ソー バトルロイヤル』(17)でフィーチャー。クライマックスで敵の軍勢をたった一人で蹴散らすソーの雄姿に、「移民の歌」のワイルドなビートが重なり、とてつもない高揚感を呼び起こす。

全編にわたってガンズ・アンド・ローゼズをフィーチャーした『ソー:ラブ&サンダー』


そして最新作『ソー:ラブ&サンダー』。この映画の音楽的な主役は、最初にも触れたがガンズ・アンド・ローゼズだ。予告編でフィーチャーされていた「スウィート・チャイルド・オブ・マイン」は、劇中でとあるアイテムの奪取に成功した際に流れるのみならず、エンドクレジットでも使用され、映画の余韻を引き立てる。さらに、ソーとガーティアンズ・オブ・ギャラクシーの共闘場面を「ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル」が盛り上げ、ジェーン(ナタリー・ポートマン)がある発見をする場面では「パラダイス・シティ」がエモーショナルな空気を駆り立てている。これらヒット曲の起用のみならず、ニューアスガルドに住む少年はガンズ・アンド・ローゼズの大ファンという設定で、ボーカリストの名にあやかってアクセルと改名するなど、小ネタも効いている。MCUのファンだけでなく、ガンズのファンも必見なのだ。さらに11月5日(土)・6日(日)にガンズの来日公演も決定。公演で『ソー:ラブ&サンダー』で起用された楽曲が聴けるのか、いまから期待が高まっている。

このほか、『アントマン&ワスプ』(18)で、アントマン(ポール・ラッド)の相棒の一人、ルイス(マイケル・ペーニャ)がイギリスのカリスマ的アーティスト、モリッシーのファンであることが発覚したり、ディズニープラスで配信されているMCUのドラマシリーズ「ミズ・マーベル」で、アメリカンロックの雄というべきバンド、ボン・ジョヴィのナンバーが使用されたりと、MCUにおけるロックの効果的起用はまだまだ存在する。MCU作品を見直す際には、ぜひ音楽にも注目してみてほしい。

文/有馬楽

関連作品