ジェーン役と出会って11年。ナタリー・ポートマンが「マイティ・ソー」シリーズを述懐「本当に最高な経験」
『レオン』(94)のマチルダ役でスクリーンデビューを飾って以来、「スター・ウォーズ」シリーズやウェス・アンダーソン監督の『ダージリン急行』(07)など数多くの映画に出演。『ブラック・スワン』(10)では第83回アカデミー賞主演女優賞にも輝き、名実ともにハリウッドを代表する女優へと成長を遂げたナタリー・ポートマン。現在公開中の『ソー:ラブ&サンダー』で彼女は、ヒーローの“マイティ・ソー”としてマーベル作品にカムバックを果たした。
「アクション映画にはこれまでも出演したことがありますが、戦闘のため、強くなるために身体を大きくするトレーニングをしたのは生まれて初めてでした。すばらしいトレーナーやスタント・チームの皆さんと一緒にトレーニングをするとてもエキサイティングな日々を送ることができ、なによりもムジョルニアを使って戦えたことは本当に最高の体験でした。あれを手に持っているだけで、身体の動かし方はまったく違うものになる。ファイティング・スタイルがとても独特なものになったと思います」。
クリス・ヘムズワースが最強の雷神ソーを演じる「マイティ・ソー」シリーズの第4弾となる本作の舞台は、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19)後の世界。サノスとの壮絶な戦いの後、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのメンバーたちと共に宇宙へと旅立ったソー。多くの仲間を失ったことから、いつしか戦いと距離を置くようになっていた。そんな矢先、“神殺し”の異名を持つゴアが出現。絶体絶命のピンチに陥ったソーを救ったのは、“マイティ・ソー”となった元恋人のジェーンだった。
「クリスの才能は驚異的なもの」
シリーズの第1作『マイティ・ソー』(11)で、アスガルドを追放されて地球に飛ばされてきたソーと運命的な出会いを果たした天文学者のジェーン。やがて2人は惹かれ合い、恋人同士になる。その後一度は離れ離れになるのだが、『マイティ・ソー ダーク・ワールド』(13)で2年ぶりに再会を果たす。敵との戦いに勝利し、自らアスガルドの王の座を退いたソーは、ジェーンと良好な関係を築いていくものと思われた。しかしいつしか2人はすれ違うようになり、やがて別れが訪れることとなる。
「以前の映画では、ジェーンはソーの助けを必要としていました。けれど今回の映画で彼女は自身の答えを探し求め、自身の旅路を進んでいます。自らの道を切り拓き、ソーとチームになって一緒に戦う。そのことにとても胸を躍らせながら演じていました」と、劇的な変化を遂げたことでジェーンというキャラクターへの愛着がさらに深まったようだ。
MCU全体で見ても4作目に当たるシリーズ「マイティ・ソー」の第1作。いまでこそ多くの人気俳優たちが参加し、映画業界そのものを担うほどの巨大なフランチャイズへと成長を遂げたMCUだが、当時それを予測していた人は決して多くはいないだろう。ポートマンがそこへ足を踏み入れるきっかけとなったのは、第1作でメガホンをとったケネス・ブラナー監督の存在だったようだ。「シェイクスピア演劇のバックグラウンドを持つケネス・ブラナー監督と一緒に、北欧神話にインスパイアされた大々的なヒーロー映画を作れることにものすごく興奮したことをよく覚えています」。
そして「クリスやトム・ヒドルストンといった才能ある人たちの演技を世間よりも先に目にすることができたことは本当に最高な経験で、とても楽しいものでした」と当時を振り返り、「クリスの才能は驚異的なものです。コメディの才能を持ち合わせ、頭の回転も速いから、とてもクリエイティブに状況の変化を察知して情報を取り込み、反応することができる。この仕事に没頭して取り組む彼の姿に感銘を受けて、いつも私は『自分は観客じゃないんだ』と言い聞かせながら演技するほどです(笑)」と、本作で久々に共演したヘムズワースの魅力を語った。