ブラック・ウィドウにワンダ、キャプテン・マーベル、シー・ハルク…MCU女性ヒーローの能力&キャリアまとめ

コラム

ブラック・ウィドウにワンダ、キャプテン・マーベル、シー・ハルク…MCU女性ヒーローの能力&キャリアまとめ

10月13日に最終回となる第9話が配信開始となったディズニープラスのオリジナルドラマシリーズ「シー・ハルク:ザ・アトーニー」。マーベル・シネマティック・ユニバース(以下、MCU)では、いまやシー・ハルクを含め、女性ヒーローの活躍が目立ってきている。今回は、彼女たちのヒーローとしての能力とあわせて、どんなキャリアや人生を歩んできたのかを振り返っていきたい。
 

キャリアも恋もヒーロー活動も?シー・ハルクことジェニファー・ウォルターズ

【写真を見る】自身が担当する裁判中にシー・ハルクに変身したジェン。スーツがボロボロに…(「シー・ハルク:ザ・アトーニー」)
【写真を見る】自身が担当する裁判中にシー・ハルクに変身したジェン。スーツがボロボロに…(「シー・ハルク:ザ・アトーニー」)[c] 2022 Marvel

MCUのドラマはどれもカラーが違っておもしろいが、“MCU版「アリー my love」”と言われている「シー・ハルク」は、女性向けリーガルドラマのような雰囲気。主人公のジェニファー・ウォルターズ(タチアナ・マスラニー、以下ジェン)は、ハルクことブルース・バナー(マーク・ラファロ)のいとこ。彼との旅行中に事故に遭ったジェンは、傷からブルースの血が入ったことで“ハルク化”する能力を得る。しかし彼女にはヒーローになる気はなく、これまでどおり法律家としてのキャリアを望んでいる。ところがシー・ハルクとして超人専門の法律事務所に雇われた彼女は、否応なしにヒーローたちの世界に巻き込まれていく。

彼女は能力を手に入れた直後から、ブルースが何年も苦戦していた“理性を保ったままハルク化”ができた。最初の特訓でブルースが「(ハルク化の)引き金は怒りと恐怖だ」と言った時、彼女は「女なら生きてるだけで、それが基本」と返している。皮肉だが、女性として“怒りと恐怖”に対処しながら生きてきたことが、アドバンテージになった。ジェンはこれから、嫌々ながらヒーローとして活動することになりそうだ。また彼女は恋活にも積極的だが、ジェンよりもシー・ハルクのほうがモテるというのも難しいところ。しかし彼女は第8話で、同じく弁護士&ヒーローとして活躍していたデアデビルことマシュー・“マット”・マードック(チャーリー・コックス)と運命的な出会いを果たす。いい感じになった2人だが、今後の関係も気になるところ。

最強クラスキャラも多数!MCUの女性陣

●ナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウ

アベンジャーズを”家族”として愛した暗殺者、ブラック・ウィドウ。せつないが彼女らしい最期となった(『アベンジャーズ』)
アベンジャーズを”家族”として愛した暗殺者、ブラック・ウィドウ。せつないが彼女らしい最期となった(『アベンジャーズ』)[c]Everett Collection/AFLO

アイアンマン2』(12)で初登場し、初代アベンジャーズの紅一点として活躍したナターシャ・ロマノフ(スカーレット・ヨハンソン)は、ロシアの女性スパイ育成所”レッドルーム”で訓練を受けた超一流のスパイ、暗殺者だ。任務にのみ生きていた彼女の人生は、S.H.I.E.L.D.のエージェント、クリント・バートン/ホークアイ(ジェレミー・レナー)との出会いによって大きく変わる。彼の暗殺対象だったナターシャは、クリントの説得でS.H.I.E.L.D.に寝返り、ヒーローになった。クリントとは家族ぐるみの友情を育み、ブルースともいい雰囲気だったナターシャ。男性ヒーローたちと同じように活躍していた彼女について忘れてはいけないのは、彼女がスーパーパワーもパワードスーツも持たなかったということだ。生身の人間で人類の存亡を懸けた数々の戦いに身を投じてきたナターシャは、人類最強と言える存在だったのではないだろうか。そんな彼女は、アベンジャーズという“家族”のために、自らを犠牲にして任務を全うした。

●ワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチ

”普通の幸せ”を求め、現実の改変を図ったワンダ。今後再登場はあるのだろうか(『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』)
”普通の幸せ”を求め、現実の改変を図ったワンダ。今後再登場はあるのだろうか(『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』)[c]Everett Collection/AFLO

ナターシャの次にアベンジャーズの女性メンバーとなったワンダ・マキシモフ(エリザベス・オルセン)は、実はアベンジャーズ最強クラスの能力の持ち主だ。サノス(ジョシュ・ブローリン)との最終決戦では、ソー(クリス・ヘムズワース)、アイアンマン(ロバート・ダウニー・Jr.)、キャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)のビッグ3がほとんど防戦一方になるなか、彼女はサノスを自身の宇宙船からの一斉掃射という捨て身の作戦に出させるほど追い詰めた。

ヒドラの人体実験の結果スーパーパワーを手に入れたヴィランとして初登場した彼女は、紛争で早くに両親を亡くし、双子の兄ピエトロと2人きりで生きてきた。しかしアベンジャーズ加入後の人生も、決して順風満帆ではなかった。『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(16)で国際指名手配となった彼女は、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(18)でサノスに愛するヴィジョン(ポール・ベタニー)を奪われてしまう。ドラマ「ワンダヴィジョン」では彼と結婚し、双子も産まれたが、実はそれは彼女が作り上げた”幻想”という悲しい真実が明らかに。

大きな哀しみと強大な魔力に支配された彼女は、“スカーレット・ウィッチ”として覚醒し、『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(22)では、本当にヴィランになってしまった。彼女にはカマー・タージの魔術師たちが束になってもまったく歯が立たず、別ユニバースのヒーロー組織”イルミナティ”もほぼ皆殺し。しかも彼女はドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)たちによって“倒された”のではなく、自らワンダゴア山を崩壊させ、それとともに姿を消したのだ。ただ家族と幸せに暮らしたいと願っていただけなのに、ワンダの人生は不遇すぎる。個人的には、ワンダが実は生きているか、別ユニバースの彼女が登場するなど、今後の救済を願わずにはいられない。


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