会場拡大、海外ゲストの来日が再開!さらなる飛躍を目指す「第35回東京国際映画祭」の見どころは?
来週10月24日(月)に開幕を迎える第35回東京国際映画祭(TIFF)。“映画の街”として長年親しまれてきた日比谷・有楽町・銀座エリアに会場を移して2年目の開催となる今年は、東京宝塚劇場や丸の内ピカデリー、丸の内TOEIなどエリア内の歴史ある大劇場での上映や、関連イベント会場として丸の内エリアが加わり、さらなる進化を遂げる。上映作品も大幅に増やし、主要9部門の上映本数が110本へと増えた今年は、どんな注目作が上映されるのか。本稿では今年のTIFFの見どころを紹介していこう。
世界各国の映画人がやってくる!ポストコロナに向けてさらなる進化へ
今年のTIFFのテーマは「飛躍」。映画祭をより熱く、より深く、そしてより楽しく盛り上げながらポストコロナへ向けて大きく羽ばたいていくことを掲げる今年は、コロナ禍の2年間で実現できなかった映画祭ならではの楽しみが帰ってくる。
海外からのゲスト招へいが本格的に再開となり、コンペティション部門で審査委員長を務めるジュリー・テイモアやワールド・フォーカス部門でフィーチャーされる台湾の名匠ツァイ・ミンリャン監督、さらにはカンヌ国際映画祭代表補佐映画部門ディレクターのクリスチャン・ジュンヌら大勢の映画人が来日。
世界中の映画人と交流できる機会が用意されているのはもちろんのこと、日本人ゲストも多数参加。彼らが一堂に会すオープニングのレッドカーペットイベントから目が離せなくなりそうだ。
1695本から選ばれた15本が上映!“映画祭の華”コンペティション部門
国際映画祭ならではの多彩な上映ラインナップを堪能するならば、やはり見逃せないのはコンペティション部門。今年は107の国と地域から1695本の応募があり、そのなかから厳選された15作品が上映。日本からは今泉力哉監督と稲垣吾郎がタッグを組んだ『窓辺にて』(11月4日公開)や、鈴木亮平と宮沢氷魚が共演した『エゴイスト』(2023年2月10日公開)、山田杏奈が主演を務める『山女』の3作品が選出されている。
また、『ビフォア・ザ・レイン』(94)でヴェネチア国際映画祭の金獅子賞に輝いた北マケドニアのミルチョ・マンチェフスキ監督の新作となる『カイマック』や、キルギスのアクタン・アリム・クバド監督の『This is What I Remember』、カザフスタンのエミール・バイガジン監督の『ライフ』、ベトナムのブイ・タック・チュエン監督の『輝かしき灰』など、映画ファン必見のラインナップが勢ぞろい。
審査委員長を務めるのは「ライオンキング」の舞台演出家を務め、映画監督としても『フリーダ』(02)などで高い評価を集めたジュリー・テイモア。さらに韓国出身で近年は日本の作品で目覚ましい活躍を見せるシム・ウンギョンや、ポルトガル出身の映画監督ジョアン・ペドロ・ロドリゲス、北野武監督作品などで知られる撮影監督の柳島克己、そしてアンスティチュ・フランセの元館長であるマリークリスティーヌ・ドゥ・ナヴァセルが審査委員を務める。