野性的なヴァイキング役がハマりすぎ!悲願を叶えた『ノースマン』アレクサンダー・スカルスガルドに迫る
『ウィッチ』(15)、『ライトハウス』(19)で酔狂な映画ファンを唸らせたロバート・エガース監督の最新作『ノースマン 導かれし復讐者』(公開中)。北欧神話や伝説をベースにしたヴァイキングの戦士が主人公の復讐劇で、エガースにとって初のアクション大作となる。そんな本作の主演を務め、プロデューサーとして企画から携わったのがスウェーデンの人気俳優、アレクサンダー・スカルスガルドだ。北欧出身らしく、子ども時代からヴァイキングの物語に魅了されてきたこともあり、今回の映画化は彼にとっても悲願だったという。そんなスカルスガルドの活躍を振り返ると共に、ハマり役とも言えるそのヴァイキングぶりに迫っていきたい。
ドラマ「トゥルーブラッド」で人気を博し、『ターザン:REBORN』や『ゴジラvsコング』にも参加
1976年8月25日生まれでストックホルム出身のスカルスガルド。HBO制作の全7話ミニシリーズ「ジェネレーション・キル」や2008~14年にかけて放送されたドラマ「トゥルーブラッド」などに出演し、世界的に知られる存在になっていく。その後、2017年にニコール・キッドマンらと共演したHBOの「ビッグ・リトル・ライズ」(現在までに2シーズンが放送)では、第75回ゴールデングローブ賞、第69回エミー賞のそれぞれで助演男優賞に輝いた。
映画作品では、ラース・フォン・トリアーの『メランコリア』(11)やアクション巨編『バトルシップ』(12)、「ハリー・ポッター」&「ファンタスティック・ビースト」シリーズのデヴィッド・イェーツによる『ターザン:REBORN』(16)、「モンスター・ヴァース」の『ゴジラvsコング』(20)といった大作&話題作などに参加し、主演を務めた『ターザン~』では金色の長髪をなびかせながら鍛え上げた肉体美も披露した。このほか、『メイジーの瞳』(13)で演じたどこか頼りない心優しい青年、『ザ・イースト』(13)でのミステリアスな環境テロリストのリーダー、NetflixのSF映画『Mute/ミュート』(18)における言葉を発せないアーミッシュ役なども印象的で、『ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち』(18)では頭頂部を剃るという役作りをしてファンを驚かせたことも記憶に新しい。今後は、デヴィッド・クローネンバーグの息子、ブランドン・クローネンバーグの最新作『Infinity Pool(原題)』(23)も控えている。
北欧の華麗なる俳優一族、スカルスガルド家
スカルスガルドを語るうえで外せないのが彼の親兄弟たち。父親は「パイレーツ・オブ・カリビアン」&「マイティ・ソー」シリーズ、『DUNE/デューン 砂の惑星』(20)などハリウッドでも活躍するステラン・スカルスガルド。また、『コン・ティキ』(12)や「ヴァイキング ~海の覇者たち~」に出演するグスタフ・スカルスガルド、『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(17)とその続編でペニーワイズを怪演したビル・スカルスガルド、『ロード・オブ・カオス』(18)などのヴァルター・スカルスガルドら弟3人(順番に次男、四男、五男)がそれぞれ俳優として活動しており、医者をしている弟(三男)や元モデルの妹もいるそうだ。