作曲&作詞家が明かす「ナートゥ・ナートゥ」制作秘話!『RRR』歌曲賞受賞スピーチ全文&受賞後インタビュー
M.M.キーラヴァーニ&チャンドラボース 歌曲賞受賞後インタビュー
――この賞を、母国であるインドに持ち帰るのはどんな気分でしょうか?
M.M.キーラヴァーニ「最も好かれた曲のようですね。ついさっきのことですが、世界の頂点に立ったような気分です。祖国インドと、この曲のためにエネルギーと時間を捧げてくれたチャンドラボース氏をはじめとするチーム全員を誇りに思います」
――テルグ語には56の文字がありますが、曲を作るうえでの苦労を教えてください。
チャンドラボース「テルグ語には56の文字があります。 私たちの言語には、たくさんの言葉、たくさんの表現、たくさんの感情があり、とてもすばらしい言語であり、とても文学的な言語です。 とても音楽的な言語です。 テルグ語の単語を書けば、音楽のように聞こえるのです。 というわけで、『RRR』のテルグ語のこの曲は、意味はともかく、あなた方のようなテルグ語話者以外の人たちがこの歌を愛してくれたことが意味するものは、響き、つまり歌の中の音楽のようなものが可能にしたということでしょう」
――あなた方は今夜、歴史を作りました。自分たちの文化を代表し、あのすばらしい曲でオスカーを受賞したことは、あなた方にとってどのような意味を持つのでしょうか?
M.M.キーラヴァーニ「いま、私は雲の上にいるような気分です。自分の国のために、自分の文化のために、自分の祖国のために、我々の映画産業のために、テルグ語の楽曲でこのような世界最大の評価を得ることができて、とても幸せだと感じています。 とてもすばらしいことだと感じています」
チャンドラボース「いま、私の頭の中には、早くインドに帰らなければならないという想いでいっぱいです。この栄誉を妻と子どもたちに見せたいのです」
――インドのほかのアーティストをもっと認知させたいと話されていましたが、この受賞がどのように道を開くと考えますか?
M.M.キーラヴァーニ「これは、世界が、特に西洋社会がインド音楽とアジア音楽にもっと注目するようになるための、すべての始まりに過ぎないと思っています。とても幸せなことだと感じています。世界が私たちの文化や音楽を受け入れるための扉を開くようなものです」
――「Naatu Naatu」のインスピレーション源はなんだったのでしょうか?
M.M.キーラヴァーニ「『Naatu Naatu』は、純粋な起源文化、そしてジャンルとしてのインド音楽、特にパーカッションを多用した南インド音楽であり、そして音楽の素朴な質感を、チャンドラボースが書いた美しい歌詞、振付師のプレム・ラクシスが編成した美しいステップで表現しています。このような最高の賞を受賞できたのは、チームワークの賜物です」
チャンドラボース「そして、この曲で書いた歌詞は、私が故郷の村で経験した実体験をもとにしています」
※記事初出時、アカデミー賞公式の受賞スピーチトランスクリプト(文字起こし)の「Kannadiga」に準じて「カンナダ語圏のみなさん」と訳しておりましたが、文意に沿うよう「カールティケーヤ」に修正させていただきました(3月20日編集部追記)。
文/平井 伊都子