『聖闘士星矢 The Beginning』を本音レビュー!映画雑誌の編集長らが語る、聖衣やキャラの再現度は?
車田正美の漫画「聖闘士星矢」を映画化した『聖闘士星矢 The Beginning』が、4月28日(金)より公開となる。主演を新田真剣佑が務め、共演にはショーン・ビーン、ファムケ・ヤンセン、マディソン・アイズマン、ディエゴ・ティノコ、マーク・ダカスコス、ニック・スタールらが名を連ねるなど、ハリウッドのスタッフ、キャストによって初めての実写化映画が実現した。
幼い頃に姉と生き別れになった青年の星矢(新田)は、姉を探しながらスラム街の地下格闘技で生計を立てていた。ある日、アルマン・キド(ビーン)と名乗る男に出会い、女神アテナ(アイズマン)の生まれ変わりであるシエナを守ることが運命だと告げられる星矢。戸惑いながらも運命を受け入れて厳しい修行に励んでいくが、シエナを狙うグラード(ヤンセン)の魔の手が、彼らに襲いかかるのだった。
監督を2019年にNetflix世界視聴数首位となった「ウィッチャー」の製作総指揮と演出を務めたトメック・バギンスキー、脚本は『10 クローバーフィールド・レーン』(16)のジョッシュ・キャンベル&マット・スタッケンのコンビと、ピクサー・アニメーション・スタジオのストーリー部門出身で『カーズ』(06)を手掛けたキール・マーレイが担当。さらにスタント・コーディネーターには『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(21)やジャッキー・チェンのスタントで有名なアンディ・チャンを迎え、VFXを『DUNE/デューン 砂の惑星』(20)、『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』(21)などを手掛けてきたDNEGが担当している。
人気漫画の実写化というと、特に原作ファンならば、期待と不安が入り混じった複雑な気持ちで発表されていく情報に向き合っている方も多いのではないだろうか。そこで本記事では、日本公開に先駆けて作品を鑑賞した映画雑誌の編集長らの本音トーク座談会を実施!原作ファン世代である40代からは「月刊シネコンウォーカー」編集長の佐藤、「DVD&動画配信でーた」編集長の西川、原作に触れたことがない20代の代表として「MOVIE WALKER PRESS」編集部の高橋の計3名が参加し、率直な感想を語り合った。
「原作をまったく知らない状態で観ても、冒頭のアクションから引き込まれました」(高橋)
佐藤「日本漫画の実写化については“トラウマ”があるのも事実だから、『聖闘士星矢』が実写映画になると聞いた時は正直不安でした。でも結論から言うと、全然大丈夫!観終わった直後には『早く続きが観たい』と思ったくらいです。タイトル通り“The Beginning”なので、『聖闘士星矢』ど真ん中世代が大好きなキャラクター、紫龍や氷河とか瞬の活躍がどうなるのか、続きが気になります」
西川「僕も『聖闘士星矢』世代。つい最近もちょうどテレビアニメの再放送を観ていたのでかなり楽しみにしていました。試写後に感想を訊かれて『満足度高いです』と答えたくらい気に入っています。僕たちは『聖闘士星矢』世代で、漫画もアニメも通ってきたけれど、高橋くんはどのタイミングで触れたの?」
高橋「僕は『聖闘士星矢』をまったく知らない状態で試写を観たので、わからない単語や設定もありましたが、それが気にならないほど冒頭のアクションシーンから引き込まれたので、ハリウッドのエンタメ大作として楽しんだというのが素直な感想です」
佐藤「じゃあ、このおじさんなにを熱く語ってるんだろう、ってウザがられないようにコメントしていかないと(笑)。星矢のキャラクターはいま風にアップデートされていたし、当時の雰囲気をベースにしてすごくまじめに『聖闘士星矢』ファンが納得する形で作っている気がしました。例えばテレビアニメで星矢が着ている赤いTシャツ。エンジっぽい色味でいまっぽくしているところなどに配慮を感じました。あとはなんといっても(新田)真剣佑さんがよかった!こんなに男前だったのかって。上半身裸になるシーンでは、CGなんじゃないかっていうくらい見事に鍛えられた筋肉に惚れ直しました」
西川「真剣佑さんもすごくよかったし、映画ファンからするとキャストがめちゃくちゃ豪華。ショーン・ビーンやファムケ・ヤンセンが出ているのは知っていたけど、僕が胸アツになったのはカシオス役のニック・スタール!『ターミネーター3』のジョン・コナーがカシオスかと興奮していたら、執事のマイロックは『ジョン・ウィック:パラベラム』のマーク・ダカスコスでしょ。下手したら星矢より強いんじゃないかなんて思ったくらい(笑)。脇を固める役者陣がちゃんとしているなかでこそ、真剣佑さんの存在感を改めて感じますね。欧米系キャストのなかでも際立つアジア系俳優として、今後海外で活躍していくのだろうという印象を受けました」