津田健次郎が語る、「M:I」最新作で感じた“森川智之トム”への安心感と悪役の極意
「熱を込めない、言葉を立てないことを極力意識していました」
イーサンたちが追う暴走するAIの全貌を知るキーマンというガブリエルには、得体の知れない印象があったという。「いやーな感じがありましたよね(笑)。ずっと静かだし、気づいたらいた!みたいなシーンもあって。目的もよくわからないし、得体が知れなくて、気づけば巻き込まれてしまう恐怖というか…。なんだか気持ち悪いけれど、それが演じていておもしろい部分でもありました」と、ガブリエルが醸しだす怖さを説明。なんとも言えない不気味さを出すために意識したのは「温度」なのだそう。「原音自体もすごく淡々としていたので、熱を込めない、言葉を立てないことを極力意識していました。ガブリエル役のモラレスさんは、重力のある方という印象です。画面に出てくるだけで圧力を感じ、喋らなくても観ていられます。存在感のあるタイプの役者さんだと思いました」と、“史上最も強大な敵”へのアプローチを明かした。
ガブリエルのような敵役を演じる際に大切にしているのは「存在感」だという。「ラスボスのような立ち位置のキャラクターを演じることも多くて(笑)。キャラクターによって違いはありますが、基本として存在感の出し方は意識しています。戦いに入ってからの強さはもちろん、戦う前でも相手を圧倒する強さのようなものを出せたらいいなと思って演じていますし、それが役割だと思っています」。
見どころの詰まった本作で津田が惹かれたのはアクション、ドラマ、ハリウッドの伝統という3つのポイントだ。「クルーズさん自身が俳優人生で最もスリリングなアクションだったと話していましたが、映画を観ればそれが伝わってきます。例えばスタントなしで、バイクで崖下に飛び降りるシーン。あのジャンプの練習を1万3,000回もやったそうですが、ちょっと想像ができない数字ですよね…。クルーズさんはもちろん、それを支えるスタッフのすごさも感じます。そういう練習が行われたことを(観客に)想像させずに観せていることも意味のあることだけど、裏話を知ればさらにシーンのすごさが感じられて楽しいし、超大作ならではのスピード、アクション、スケールを実感できると思います」と、本作のアクションの凄まじさを解説。
「イーサンは列車に乗るまでにバイクを走らせ、崖からジャンプし、乗ったら乗ったで墜落する車両を飛び越えないといけない。普通には(列車に)乗られないんだなって(笑)。たたみかけるようなスリルを味わってほしいというクルーズさんのアクションへの想いを感じました。アイデアが詰まりまくっているシーンです。本当によく練られていて何度も観たくなります」とクルーズ×ハントの止まらない超絶スタントの進化を言い表した。