4Kでこそ観たい!作品のエッセンスが込められた「007」シリーズのおしゃれすぎる“タイトル・シークエンス”
『ゴールデンアイ』からオープニングもパワーアップ!
アルバート・ブロッコリらおなじみの製作者が去るなど転機の1作となった『007/ゴールデンアイ』(95)は、世界観の一新に伴い、タイトル・シークエンスも亡きビンダーからダニエル・クラインマンにバトンタッチ。映像もCGがふんだんに使用され、これまでの平面的でグラフィティライクなイメージから奥行きを感じさせるものへ、劇的な進化を遂げた。
もちろん女性のシルエットといったこれまでのスタイルも踏襲。シリーズに大きな変化を与えた冷戦の終結も、ソ連の旗が吹き飛んでいくカットでサラッと盛り込んでおり、鮮やかな手腕で伝統と新たなスタートをアピールした。
クラインマンは現在までほとんどの作品を担当しており、『007 カジノ・ロワイヤル』(06)ではまさかのアニメーションを採用。そこに新ボンドとなったダニエル・クレイグの姿がオーバーラップする一方で、女性のシルエットはなしという斬新な出来栄えとなった。
MK12というスタジオが担当した『007 慰めの報酬』(08)を経て、『007 スカイフォール』(12)では撃ち抜かれたボンドや墓、鮮やかなブルーに映える赤い血など、死を彷彿とさせるイメージが次々と登場。アデルの壮大な歌声も相まった近年屈指の出来となった。
美しい映像と音楽と共にシリーズのテイストを観客に伝えてくれるタイトル・シークエンスの数々。『ドクター・ノオ』から『ノー・タイム・トゥ・ダイ』まで、どのような変化があるのかにも注目してみてはいかがだろうか。
文/サンクレイオ翼
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