チョン・ジョンソからパク・ウンビンまで!この秋、配信で見逃せない新作韓国映画&ドラマをご紹介
犬嫌いの容姿端麗な教師をチャウヌが好演!ウェブトゥーン原作のドラマ「ワンダフルデイズ」
「ムービング」が韓国の人気作家カンプルの同名作品の実写化で大当たりしたように、韓国では人気ウェブトゥーンを原作にしたドラマが変わらずトレンドとなっている。10月11日よりU-NEXTで配信中の「ワンダフルデイズ」は、同名のウェブトゥーンをもとに「女神降臨」や『デシベル』(22)など精力的に俳優業をこなすK-POPグループASTROのチャ・ウヌと、「セレブリティ」で人気を博したパク・ギュヨンを主演に迎えたラブコメディだ。
高校教師のヘナ(パク・ギュヨン)は、異性とキスすると犬に変身してしまう呪われた家系のせいでまともな恋愛ができない。職場の気になる同僚ボギョム先生(イ・ヒョヌ)に思いを伝えようにも、呪いのせいで積極的になれないままだ。ある日、ヘナは酔った拍子に天敵の数学教師ソウォン(チャ・ウヌ)にキスしてしまう。犬に変わる時間は、夜中から明け方まで。そして100日以内に犬の姿のまま同じ異性とキスしなければ、一生人間に戻ることができなくなってしまうのだ。何とかソウォンに接近しようとするヘナだったが、彼が実は大の犬嫌いだと知ってピンチに陥る。
「普段応援している俳優やアイドルがいたとしても、チャ・ウヌはまた別」を意味する「최애는 최애고 차은우는 차은우다(推しは推し、ウヌはウヌ)」という造語が考案されるほど美しいチャ・ウヌを見ているだけでももちろん楽しいし、毎回登場する犬たちの愛くるしさもたまらない。また、“100”という区切りを大切にする韓国人にとって、「出会いから100日」「付き合って100日」などカップルの100日記念はとても重要だ。犬猿の仲なヘナとソウォンが、晴れて100日目にロマンティックな記念日を迎えられる二人になるのかが見どころだ。
トラウマを抱えたダークヒーローの活躍を描く「ヴィジランテ」
先に行われた釜山国際映画祭のトークイベントも盛り上がった「ヴィジランテ」も、まもなく11月8日よりDisney+にて配信スタートとなる。こちらもCRG、キム・ギュサム原作のウェブトゥーンがベースとなっている。
警察学校の優等生ジヨン(ナム・ジュヒョク)は、子供の頃に目の前で母親が殴り殺され心に癒えない傷を抱えている。のちに犯人の男は釈放されるが、ジヨンは彼が再び誰かを襲うのを発見し、自ら復讐を遂げる。こうして再犯を繰り返す極悪人にひそかに鉄槌を下していくジヨンは次第にメディアや警察の注目を集め、人々は“ヴィジランテ”(自警団)と呼ぶようになっていく。
ナム・ジュヒョクが兵役前最後に挑んだキャラクターは、正義感のある警察官を目指しながら強い復讐心を抱き私刑に手を染めるダークヒーロー。「二十五、二十一」の爽やかな演技で多くの視聴者を虜にした彼が一転、光と影を持つキャラクターをどう演じているかが鑑賞ポイントだ。釜山国際映画祭でのトークイベントによれば、「ヴィジランテ」は後半に向かうにつれてストーリーもキャラクターもオリジナルとドラマの違いが明確になっていくという。リベンジドラマの行き着く先がどんな結末になるのか、最後まで見逃せない。
パク・ウンビンが無人島生活!?「無人島のディーバ」は旋風を巻き起こす期待大
そして最後に、10月28日にNetflixにて配信が始まったばかりの「無人島のディーバ」をご紹介したい。
のどかなチュンサム島に暮らすモクハ(イ・レ)は、同じく島出身アーティストのランジュ(キム・ヒョジン)に夢中な高校生。いつかソウルで歌手になることを夢見ている。16歳のある日、オーディションを受けるために船で家出を敢行するが、不慮の事故で海へ落下。命からがら無人島に流れ着いたのだった。それから15年後、ひょんなことから発見されたモクハ(パク・ウンビン)は、一度は失った歌手の夢に向かって奮闘していく。
無人島で15年間サバイバル生活をしていた女性が主人公という奇抜さ、扮するのは天真爛漫なパク・ウンビンと聞き軽妙なコメディを想像していたが、第一話で描かれる壮絶な現実に良い意味で予想を裏切られて見入ってしまった。生まれ育った島を離れたいというモクハの思いは、ただハイティーンらしい夢というだけでなく、生存にまつわるより切実なものだった。モクハの少女時代をイ・レが演じているが、パク・ウンビンと輪郭が驚くほどそっくりで、成長した姿に違和感がないのもドラマへの没入度を高めている。このドラマで、またもやパク・ウンビンがシンドロームを巻き起こす予感がする。
どれもこれも期待大な作品ばかりで、韓国ドラマファンには嬉しい悩みが尽きない。この秋もぜひ、お気に入りの作品をみつけていただきたい。
文/荒井 南