クリエイティブを尊重し、秀作を次々発表するA24。記録更新のヒット『TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー』へ連なる功績

コラム

クリエイティブを尊重し、秀作を次々発表するA24。記録更新のヒット『TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー』へ連なる功績

ハリウッドの規範に囚われない多様さ。ジャンル映画も次々と発表

家族の思い出が詰まった家を取り戻そうとする青年とそれ支える友人を描く『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』
家族の思い出が詰まった家を取り戻そうとする青年とそれ支える友人を描く『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』[c]Everett Collection/AFLO

製作スタイルも自由なら、撮るジャンルも自由。先述した『ムーンライト』に加え、『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』(19)、『ミナリ』(20)、『インスペクション ここで生きる』(22)といった、保守的なメジャースタジオでは敬遠されがちな、複雑なテーマをもった作品に積極的に取り組んでいる。


アリ・アスターがホアキン・フェニックスと組んだ最新作『ボーはおそれている』
アリ・アスターがホアキン・フェニックスと組んだ最新作『ボーはおそれている』[c]2023 Mommy Knows Best LLC, UAAP LLC and IPR.VC Fund II KY. All Rights Reserved.

映画業界では下に見られがちな、ジャンル映画も例外ではない。とりわけ低予算で製作できるホラーはA24の十八番であり、そこから多くの才能が巣立っていった。その代表格はアリ・アスター監督。初長編の悪魔的な儀式を題材にした『へレディタリー/継承』(18)で注目され、さらに閉鎖的な信仰コミュニティの恐怖を描く『ミッドサマー』が世界的に大ヒットを飛ばした。アスター監督の新作『ボーはおそれている』(2024年2月16日公開)も前2作と同様にA24が製作を務めている。

このジャンルの近年の大当たりはタイ・ウェスト監督の『X エックス』(22)だろう。1970年代のスラッシャーホラーにオマージュを捧げながら、血みどろの惨劇を描いた同作は興行的に成功を収め、前日談となる『Pearl パール』(22)も好評を博した。ウェスト監督はA24と組んだこの2作に続くシリーズ第3弾『MaXXXine(原題)』の撮影を終え、現在は急ピッチで編集作業を進めているとのこと。

70年代テキサスを舞台に、ポルノ映画を撮りにやって来た若者グループが恐ろしい老夫婦に襲われる『X エックス』
70年代テキサスを舞台に、ポルノ映画を撮りにやって来た若者グループが恐ろしい老夫婦に襲われる『X エックス』[c]Everett Collection/AFLO

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