観る準備はOK?最新作に向けてSF大作『デューン』の世界観と物語をおさらい
フレメンたちが信じる“救世主”の片鱗を見せるポール
そして、この2つの大きな社会背景のもとに描かれるのが、主人公であるポール・アトレイデス(ティモシー・シャラメ)の物語だ。ポールは、アトレイデス家を統べるレトの息子にして、家を継承する存在。母親は不思議な力と独自の宗教感を持ち、宇宙のバランスを維持するため為政者に仕えてきた女性だけの組織ベネ・ゲセリットの一員であるレディ・ジェシカ・アトレイデス(レベッカ・ファーガソン)。母の教育によって、ベネ・ゲセリットが持つ特殊な能力を発揮する力を得つつあったポールは、ある夢を見続けていた。それは、まだ行ったことのないアラキスに住む先住民族のフレメンと交流し、彼を導く謎の女性チャニ(ゼンデイヤ)と出会い、共に行動するというものだった。
ポールは、この予知夢とも思える夢に導かれるように、アラキスへと旅立つ。そして、勃発した帝国とハルコンネン家による陰謀によって、母ジェシカと共に戦闘に巻き込まれていくことになる。このポールの逃亡劇が、1作目の大きな見どころとなるのだ。
アトレイデス家の継承者であるため、ハルコンネン家にねらわれるポールは、母と共に領地から脱出し、フレメンたちの元へと向かう。その手助けをしてくれたのは、フレメンでありながら帝国の監察官としてアラキスの生態系の研究をしていたリエト・カインズ博士(シャロン・ダンカン=ブルースター)。彼女はフレメンに大きな理解を示し、ベネ・ゲセリットの能力を持つポールをフレメンの伝説に登場する救世主=マフディーではないかと感じたからこそ、本来は静観者でなければならない立場ながら、自身の身を犠牲にしてもポールを逃がしたのだった。
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後世のSF&ファンタジー作品に影響を与えた「デューン」の世界観
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