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ローラースケートにスカイダイビング、高層ビルからの落下!?ジャッキー・チェンを象徴する危険なアクション6選

コラム

ローラースケートにスカイダイビング、高層ビルからの落下!?ジャッキー・チェンを象徴する危険なアクション6選

『ポリス・ストーリー3』/命綱なしのヘリコプターアクション

『プロジェクトA2 史上最大の標的』(87)、『ポリス・ストーリー2 九龍の眼』(88)、“アジアの鷹”シリーズ第2弾『プロジェクト・イーグル』(91)などシリーズものの大作を経るなかで、ジャッキーのアクションスタントもより過激化していく。そのなかでも一つの頂点と言えるのが、「ポリス・ストーリー」シリーズの3作目となる『ポリス・ストーリー3』(92)だ。

ミッシェル・ヨーと共演した『ポリス・ストーリー3』
ミッシェル・ヨーと共演した『ポリス・ストーリー3』[c] 2010 Fortune Star Media Limited. All Rights Reserved.

東南アジアの麻薬シンジケートを牛耳るマフィアの大物、チャイバ(ケン・ツァン)を逮捕するために、香港警察のチェン・カクー(ジャッキー)と中国人民武装警察部隊の女性捜査官ヤン(ミッシェル・ヨー)がコンビを組んで活躍。中国本土やマレーシアでロケ撮影を行い、香港に留まらない国際的な物語が展開される。

物語終盤になると、チャイバの妻をめぐってマフィアとチェンたちによる追跡劇が白熱。チャイバたちがヘリコプターを使って妻を救出し、その場を去ろうとするが、機体からぶら下がった縄ばしごにチェンが飛びつく。ここでのアクションは高所ながら命綱なし。さらに、ヘリコプターからぶら下がった状態で振り落とされそうになるなど、観ているこちら側がヒヤヒヤしてしまうレベルだ。

空中での体を張ったアクションが展開!(『ポリス・ストーリー3』)
空中での体を張ったアクションが展開!(『ポリス・ストーリー3』)[c] 2010 Fortune Star Media Limited. All Rights Reserved.

ちなみに、ヘリコプターが列車の上に不時着したあとの、列車にバイクで飛び移る危険なアクションは、ジャッキー同様にミッシェル・ヨー自身がスタントなしで挑戦している。ジャッキーのアクションだけでなく、当時すでにアクション女優としてブレイクしていたヨーのスタントも大きな見どころとなっている。

『酔拳2』/リアリティを重視した危険な火だるまアクション

90年代は現代が舞台のアクション映画を多く送りだしてきたジャッキーだが、大作シリーズがひと段落ついたタイミングで、ある意味の原点回帰であり、それでいて新たな方向のアクションに挑戦する作品となる『酔拳2』(92)を発表する。

中国で英雄視される拳法家のウォン・フェイフォンの若かりし頃を演じる『酔拳2』
中国で英雄視される拳法家のウォン・フェイフォンの若かりし頃を演じる『酔拳2』[c]Everett Collection/AFLO

ジャッキーを日本で有名にした作品といえば、『ドランクモンキー 酔拳』(78)が挙げられる。清朝末期に実在し、中国で英雄視される拳法家のウォン・フェイフォンをモデルに、彼の若かりし頃を想定した物語が描かれた。コメディ要素が多めのドラマや師匠に鍛えられながら成長するスポ根的シチュエーションも加えられるなど、それまでのカンフー映画の常識とは異なるテイストでヒットを呼んだ。

『酔拳2』でもジャッキーは同じくウォン・フェイフォンを演じているが、前作との関連性はない。むしろ、背景設定がより詳細に描かれ、イギリスの進出によって大きく変わろうとする香港を舞台に、イギリス領事館の悪事を阻止するために仲間たちと立ち上がるという、よりリアルな物語になっている。

アクション的な見せ場は、ジャッキースタントチームのエースであるロウ・ホイクォンが演じる足技使いとの製鉄所でのバトル。ホイクォンは元香港ムエタイのプロ選手として活躍した人物で、華麗で素早い足技が特徴の武術の達人。クライマックスのバトルでは、父親からの厳命で酔拳を封じられたウォンが、あちこちに熱された鉄や窯がある製鉄所で、その足技に追い詰められる。

大きな見せ場となるクライマックスの製鉄所でのバトル(『酔拳2』)
大きな見せ場となるクライマックスの製鉄所でのバトル(『酔拳2』)[c]Everett Collection/AFLO

危険な匂いがプンプンするなか、嫌な予感が的中するようにウォンは燃え盛る石炭の上に蹴り落とされ、服に炎が燃え移る衝撃的なシーンが映しだされる。この危険なシーンは、ジャッキー自身が防火服をまとって、顔をしっかり見せる形で撮影に臨んでいる。顔を覆うものがない状態で炎に包まれる姿は、本人が演じるからこそのリアリティにあふれており、ドラマの緊張感を高め、さらにカタルシスとなる酔拳の封印を解く流れへとつながっている。

前作ではコメディ要素が強かった“酔拳”という拳法を、酔うことで痛覚が麻痺し、暴走に近い戦いぶりにすることで、ストーリー性も含めて前作とは異なるリアリティが重視されていることがわかる。また、ジャッキー自身もフィジカル面を重視したクンフーアクションを見せており、若き日に自身が多く演じた「拳法もの」のレベルを表現面で大きく刷新した作品であるとも言える。

痛覚が麻痺して暴走するなど酔拳の設定にリアリティを加えた(『酔拳2』)
痛覚が麻痺して暴走するなど酔拳の設定にリアリティを加えた(『酔拳2』)[c]Everett Collection/AFLO


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