ばいきんまんが主役の劇場版『それいけ!アンパンマン』最新作が、35年の歴史で初の快挙!|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
ばいきんまんが主役の劇場版『それいけ!アンパンマン』最新作が、35年の歴史で初の快挙!

コラム

ばいきんまんが主役の劇場版『それいけ!アンパンマン』最新作が、35年の歴史で初の快挙!

6月28日から6月30日までの全国映画動員ランキングが発表。やなせたかし原作の国民的アニメ「それいけ!アンパンマン」の劇場版第35作となる映画『それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン』(公開中)が初登場でNo. 1を獲得。「それいけ!アンパンマン」の劇場版が動員ランキングで首位に立つのは、35年の歴史で初めてのこととなる。

絵本の世界でアンパンマンとばいきんまんが協力!シリーズNo. 1を狙える好発進

1989年の映画第1作公開から35年。いまなお愛され続ける国民的アニメ
1989年の映画第1作公開から35年。いまなお愛され続ける国民的アニメ[c]やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV [c]やなせたかし/アンパンマン製作委員会 2024

初日から3日間で動員13万7000人、興収1億7200万円を記録した映画『それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン』。この成績は、昨年公開され最終興収5億2000万円を記録した『それいけ!アンパンマン ロボリィとぽかぽかプレゼント』(23)対比152%と抜群。現時点のシリーズ最高記録である『それいけ!アンパンマン かがやけ!クルンといのちの星』(18)の興収6億5000万円超えも狙えるスタートを飾った。

なによりも注目は、冒頭でも述べたように“動員ランキング初登場首位”を達成したことだろう。例年、夏休み興行が本格化する直前のタイミングで公開されている本シリーズ。作品のメインターゲットの年齢層が低いこともあり、必然的に親子2人以上の動員が見込める一方、どうしても客層がかなり限定的なこと。おおむね上映時間が短く通常の映画よりも回転率が良い一方で、客層に合わせて午前中などの早い時間にしか上映回を設けていないこと。こうした一長一短がありながら、あくまでも乳幼児の“映画館デビュー”という役割を貫いてきたなかでの今回の快挙となった。

35作目の主人公はばいきんまん!絵本の世界で大冒険を繰り広げる
35作目の主人公はばいきんまん!絵本の世界で大冒険を繰り広げる[c]やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV [c]やなせたかし/アンパンマン製作委員会 2024

今作では、絵本の世界へと吸い込まれたばいきんまんが、アンパンマンと力を合わせて大冒険を繰り広げていくという物語が展開。配給元である東京テアトルの関係者は「制作者・声優の皆さまがすばらしい作品を仕上げてくださり、関係各位の多大なご協力を得て今回の大ヒットスタートに繋がりました。『映画アンパンマン』のメインターゲットは2歳~4歳と言われていますが、実際に劇場にいらしたお客さまを見ると4歳以上の大きなお子さまの来場が例年より多く、また大人のみでお越しくださる方もいて、“アンパンマンとばいきんまんが力を合わせる”というエピソードが幅広い年齢層に響いているのを実感しています」と喜びのコメントを寄せている。


このコメントからもわかるように、普段は宿敵同士であるアンパンマンとばいきんまんの関係の変化が作品のヒットに大きく貢献しているようだ。というのも、先述した『かがやけ!クルンといのちの星』や、シリーズ22年ぶりに興収5億円を突破した『それいけ!アンパンマン よみがえれ バナナ島』(12)も、両者の協力関係が描かれた作品。また、『よみがえれバナナ島』の後の『それいけ!アンパンマン とばせ!希望のハンカチ』(13)と『それいけ!アンパンマン りんごぼうやとみんなの願い』(14)も同様で、この3本は現在も続くシリーズの人気再燃の大きなきっかけとなった。

ばいきんまんの活躍に、大人も子どもも胸を熱くすること間違いなし!
ばいきんまんの活躍に、大人も子どもも胸を熱くすること間違いなし![c]やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV [c]やなせたかし/アンパンマン製作委員会 2024

“いつもと同じ”が愛されるゆえんの国民的シリーズではあるが、劇場版という特別なタイミングでは“いつもと違う”ことが間口を広げ、新たな層(本シリーズの場合は一度離脱した層といってもいいだろう)にリーチしてヒットにつながる。もちろん『クルン〜』以前に最高成績を収めていたのは『それいけ!アンパンマン ばいきんまんの逆襲』(90)であり、これらを踏まえれば「それいけ!アンパンマン」シリーズのヒットのカギは、ばいきんまんが握っているということになるだろう。

関連作品