ゆる～い殺し屋コンビ”ちさまひ”の絆が胸を打つ『ベイビーわるきゅーれ』心わし掴みシーンを語る
ちさまひに最強殺し屋兄弟が襲いかかる『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』
第2作では、組織との約束を破ったことで謹慎処分を受けたちさまひに、殺し屋アルバイターの神村ゆうり(丞威)＆まこと(濱田龍臣)の魔の手が迫る。本作はこの神村兄弟にもスポットが当たることから前作ほどちさまひ全開なシーンは多くないが、それでも一回一回の重みがすごい。
延滞に延滞を重ねたスポーツジム会費と保険料の支払い、そして生活費のために、再びアルバイトせざるを得なくなったちさまひは、そこで出会った老人に『花束みたいな恋をした』(21)の魅力を熱弁される。帰宅して2人は律儀に『花束』を観始めるが、イマイチよさがわからない様子。まひろは「付き合ってうまくいってないのに…」と言い少し間を置くと、突然身体を上げてちさとを見ながら「『じゃあ結婚しようよ！結婚しよう』」と大きな声で言い放つ。「…て言う理由がまだちょっとわからなかったな」と続け、『花束』のセリフの復唱だとわかるが、これにはちさとも「それってプロポーズ？」とニヤニヤ。その後、ちさとも少し憂いをたたえた顔をしながら「『なんか思ってたのと違ったな～』…ってやつね」と返し、2人の『花束』オマージュ連携プレーに、再びくすりとさせられてしまう。
そして物語も後半に差しかかり、神村兄弟と交戦することになるちさととまひろだが、凄腕殺し屋の2人に対し神村兄弟は善戦。ちさととまことがそれぞれ腹部に銃弾を食らい、両者共に物陰に隠れ態勢を整えるなか、出血でぐったりするちさとは「これ終わったら鉄分パーティしよう。レバニラとか」とまひろに微笑みを向ける。それにまひろは「しよう。約束する」と応えるのだが、ちさとは、うれしそうな声色で「約束してくれるの？」と返している。この2人は、相棒がご飯を作ってくれた時、なにかを買ってきてくれた時、お願いを叶えてくれた時、いつでも「◯◯してくれてありがとう」と言う。どんな状況でも、相手への感謝や敬意は忘れていないのもこのコンビの魅力だろう。
最後に、エンドロール後のワンシーン。ネットサーフィンしていたちさとは、おもむろに「餃子。見て」とまひろにPC画面を向け写真を見せるが、画面を見たまひろは「お～ビジュ爆発」と一言。これは、『花束』を熱弁してくれた妙に若者かぶれした老人が使っていた言葉で、「『溺れるナイフ』の時、ビジュ爆発してたよねぇ！」「あと紅白の時着てた、メゾン・マルジェラのニット…」と語っていたことを受けて、ちさとは「ビジュ爆発」、まひろは「メゾン・マルジェラ」という言葉を繰り返し発していた。ずっと自分が使っていた「ビジュ爆発」をまひろが使ったのを聞いて、ちさとは「え、なにしてんの？取らないで『ビジュ爆発』」「マルジェラ取るよ、いいの？」と詰問し、まひろは首を左右に振るのだった。このシーンは、その後の展開も含め2人のチャーミングさこそが爆発している。
最新作『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』では一匹狼が2人に立ちはだかる
放送中のドラマ「ベイビーわるきゅーれ エブリデイ！」でも、ちさまひの魅力が絶賛炸裂中だが、最新作では、そんな2人の前にさらなる脅威が現れる。宮崎出張へと繰りだし、到着早々からミッションを一つ片付けたちさととまひろ。そんな折、ちさとはその日がまひろの誕生日だと気づく。次の仕事も迫っており、プレゼントを用意する時間もない。内心焦りつつ、次のターゲットがいる宮崎県庁へとたどり着くと、そこには、ちさととまひろのターゲットに銃を向ける謎の男、冬村かえで(池松壮亮)がいた…。
ポスタービジュアルには「この二人、これで最期。」と不穏な言葉が添えられており、どんな時も2人力を合わせ死線をくぐり抜けてきたちさと＆まひろにどんな危機が訪れるのか？ぜひスクリーンで確かめてみてほしい。そして、本シリーズをまだ観たことがない人は、まずは『ベイビーわるきゅーれ』『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』、そしてドラマ「ベイビーわるきゅーれ エブリデイ！」を観て、ちさと＆まひろの絆に心を掴まれてほしい！
文/佐藤来海
※高石あかりの「高」は、「はしごだか」が正式表記
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