『ボヘミアン・ラプソディ』が第76回ゴールデン・グローブ賞を席捲!受賞結果には順当とサプライズが混在
現地時間1月6日、第76回ゴールデン・グローブ賞の授賞式が米国ロサンゼルスで行われた。12月のノミネーション発表から繰り広げられてきた下馬評を踏襲するかのような順当受賞の中に、ゴールデン・グローブ賞らしいサプライズが混在する結果となった。
ゴールデン・グローブ賞はハリウッド外国人記者協会(HFPA)に所属する90人弱のジャーナリストが選出する賞なので、76回目ともなると各映画会社もパブリシストも、賞を獲るためのメソッドを熟知しているのだろう。逆に少人数で選ぶ賞だからこそのサプライズもあり、特に<ドラマ部門>受賞結果は驚きの連続だった。
<ミュージカル/コメディ部門>作品賞は『グリーンブック』(3月1日公開)。天才黒人ピアニスト(マハーシャラ・アリ)と、イタリア系の用心棒(ヴィゴ・モーテンセン)が差別意識の強い南部を演奏旅行する物語だ。昨年のトロント映画祭で観客賞を受賞し、ジンクス通り順当にここまで勝ち残ってきた。映画の2部門共通カテゴリーの<脚本賞>と<助演男優賞>でマハーシャラ・アリが受賞している。
受賞スピーチで監督のピーター・ファレリーは「この物語は、分断された世の中に生きている私たちに希望を与えるだろうと思った。見かけだけで判断せず語り合い、共通項を見つけることが重要だ。多くの共通項があるはずだから。私たちはみんな愛や幸福を求めている。そして、平等に扱われたいと願っている。それは、そんなに悪いことじゃないはずだ」と、スピーチの持ち時間オーバーの音楽が鳴り響くなか語り続けた。世の中の一風変わった人々を際どいコメディで描いてきたファレリー兄弟の兄、ピーター。 “平等”は彼の過去作品にも共通するテーマだ。いままで賞レースとは縁がなかったファレリー監督が到達した作品賞受賞に、会場から大きな拍手が贈られていた。
最大のサプライズは、<ドラマ部門>で作品賞含む5部門最多ノミネートである『アリー/ スター誕生』が主題歌賞のみの受賞にとどまったこと。ハリウッド外国人記者協会の好みを熟知したメディアはレディー・ガガの主演女優賞受賞は固いと見ていたが、結果はグレン・クローズ(『天才作家の妻 -40年目の真実-』)。この受賞には、クローズ本人が最も驚いているようだった。