刑事×フライドチキン!?社会現象を巻き起こした韓国映画が、いろいろエクストリームすぎる!

コラム

刑事×フライドチキン!?社会現象を巻き起こした韓国映画が、いろいろエクストリームすぎる!

カンヌを制したポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』(1月10日公開)や『サニー 永遠の仲間たち』(11)監督の最新作『スウィング・キッズ』(2月21日公開)など、今年も話題作が続々と封切られる韓国映画。本日1月3日より公開となった『エクストリーム・ジョブ』にも、注目したい!

韓国歴代最高興収を記録&ハリウッドリメイクも決定!

ポンコツ麻薬捜査班のまさかの活躍を描く『エクストリーム・ジョブ』
ポンコツ麻薬捜査班のまさかの活躍を描く『エクストリーム・ジョブ』[c]2019 CJ ENM CORPORATION, HAEGRIMM PICTURES. CO., Ltd ALL RIGHTS RESERVED

本作を語るうえで、まず触れたいのが本国での興行成績。昨年の1月に韓国で公開されると、わずか半月で動員が1000万人を突破し、最終的に韓国歴代2位となる1626万人を記録。韓国の総人口が5000万人ほどなので、単純計算で約3人に1人が本作を観たことになるから驚きだ。さらに、興収では歴代1位となる約1396億ウォン(日本円で約123億円)を叩き出した。

また、アメリカで公開された韓国映画としても歴代9位となる120万ドル超の興収を記録。その大ヒットを受けて、『ジュマンジ』シリーズなどで知られるコメディアン、ケヴィン・ハート主演でハリウッドリメイクも決定するなど、大きな注目を集めているのだ。

“まさか”の連発!エクストリーム過ぎるストーリー&キャラクター

失敗ばかりで実績がないため解体されそうになっているのだが…
失敗ばかりで実績がないため解体されそうになっているのだが…[c]2019 CJ ENM CORPORATION, HAEGRIMM PICTURES. CO., Ltd ALL RIGHTS RESERVED

そんな実績を生んだ本作は中身もすごいことになっている。なにをやっても失敗ばかりで、署内のお荷物とされる麻薬捜査班。チーム解体の危機から一発逆転をねらう彼らは、裏社会の大物を張り込むため敵アジト前にあるフライドチキン店を自腹で買い取り、偽装営業しながら捜査をすることに。しかし思いがけず店が繁盛し、忙しさから捜査どころではなくなってしまい…と予想の斜め上を行く物語が繰り広げられていく。その後も思わぬところで店の営業が捜査とつながるなど、良い意味で観客を裏切っていくのだ。

また、チームの面々もキャラが立っており、職場では署長に、家では妻に責められ続けるタフさだけが取り柄のコ班長をはじめ、紅一点のトラブルメーカー、チャン刑事や調理でまさかの才能を開花させた絶対味覚を持つマ刑事、どんなに店が忙しくなろうともアジトを一人見張り続ける尾行担当のヨンホ、情熱だけは一人前の末っ子刑事ジェフンと各々のポンコツぶりが最高。そんな負け犬5人組だが、実は…というまさかの展開も胸アツなのだ。

過剰なまでのギャグ&本格アクション!

まさかの気持ちいい裏切りが展開していく
まさかの気持ちいい裏切りが展開していく[c]2019 CJ ENM CORPORATION, HAEGRIMM PICTURES. CO., Ltd ALL RIGHTS RESERVED

そして本作を盛り上げるのがクスリと笑いを誘う大量に盛り込まれた小ネタたち。例えば、麻薬アジトに突入する際に、予算がないから窓ガラスを蹴破って突入できないといった警察の金銭事情や社会的立場をいじったものや、スローモーションなどの技術を駆使し、無駄にゴージャスに撮影されたシズル感たっぷりのフライドチキンの調理シーンなど、くだらなすぎる笑いのジャブを次々と浴びせてくる。

存分に笑わされたかと思えば、アクションの方はさすが韓国映画というハイクオリティ。体と体がぶつかり合うおなじみの武骨なものから、軍の格闘術を取り入れた華麗なものまでタイプも豊富。ギャグシーンとのまさかのギャップには、否応なしにテンションも上がってしまう!

大量に盛り込まれた小ネタたちには笑わされてしまうこと間違いなし!
大量に盛り込まれた小ネタたちには笑わされてしまうこと間違いなし![c]2019 CJ ENM CORPORATION, HAEGRIMM PICTURES. CO., Ltd ALL RIGHTS RESERVED

大人が大真面目に人を笑わせにかかり、物語、ギャグ、アクションすべてがハイレベルな作品に仕上がっている本作。新年初笑いは『エクストリーム・ジョブ』で決まり!

文/トライワークス

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