映画界の名匠が手掛けた濃密な群像劇!「連続ドラマW 悪党 〜加害者追跡調査〜」の“3つのポイント”とは【レコメンW】
レコメンド2 実力派キャストが共演!探偵の新たな魅力を引きだす群像劇
そんな本作でやはり見逃せないのは、俳優たちが見せる魅力的な演技の数々だ。「東出さんは対象者を追跡しているときにボイスレコーダーを使ったり、さりげなく盗撮したり、車の中から鋭い目で張り込みをしていたりという探偵らしい姿がすごくさまになっていましたね。それに普段はクールな感じなのに、たまに感情を爆発させたり、人情で動いたりするギャップにもとても魅了されました」。
また探偵事務所の所長を演じる松重のいぶし銀的な存在感には、とくにうっとりした様子で言葉に熱がこもる。「松重さんといえば『アンナチュラル』で見せてくれた少し飄々としているけど、いざという時に頼り甲斐のある上司のような役がすごく似合いますよね。本作でも最初は商魂たくましいおじさんだったのが、佐伯との過去が明らかになっていく辺りからすごく頼り甲斐がでてきて。観ているだけで安心感がありました。ああいう上司に憧れますよね(笑)」と、探偵を演じるメインキャストの好演に太鼓判を押す。
「個性的な探偵の活躍を軸にして、事件関係者の内面を深く描いていく部分は『ゴーン・ベイビー・ゴーン』を思い出しましたね」と、『アルゴ』(12)でアカデミー賞作品賞を受賞したベン・アフレックが長編監督デビューを飾った探偵映画の傑作を例に挙げる。同作では、ボストンで私立探偵を営むカップルが少女誘拐事件の捜査をしながら、事件の裏に隠された大きな闇に触れる姿が描かれていた。
「探偵といえば『名探偵コナン』のように目の前にある難事件に向き合うというイメージが強くありますが、『ゴーン・ベイビー・ゴーン』や本作では、また新たな探偵のイメージを提示してくれたように思います。観終わった時に、こういう感じなら探偵になってみたいな、と少し思いました(笑)。もし私が加害者調査を依頼されたら、佐伯のように被害者の人の立場に立って考えられたらいいな、と」。