批評家が選ぶ、ブラムハウス作品ランキング!アカデミー賞候補など“フレッシュ”なおすすめ10選
最も高い評価となる100%フレッシュを獲得したのは、Netflixで配信中のドキュメンタリー映画『シークレット・ラブ:65年後のカミングアウト』。トム・ハンクスが主演を務めた『プリティ・リーグ』(92)の題材となった全米女子プロ野球リーグの選手だったテリー・ドナヒューと、彼女のパートナーであるパット・ヘンシェルの姿を通して、同性愛者に向けられてきた偏見と差別の歴史、そして高齢者が抱える様々な課題を描写していく。「ブラムハウス」では近年積極的にドキュメンタリー作品を手掛けており、劇映画だけでなく様々なかたちで現代社会に鋭く切り込んでいくスタジオの姿勢がはっきりと窺える。
98%フレッシュの『ゲット・アウト』は、全米公開時に想定外の大ヒットを記録。本来であれば賞レースとは無縁といわれる2月公開でありながらも、年末まで高評価を持続しつづけ、第90回アカデミー賞では作品賞と監督賞、主演男優賞、脚本賞の主要4部門にノミネート。脚本賞では受賞を果たす大旋風を巻き起こした。コメディアンとして活躍していたジョーダン・ピール監督がメガホンをとり、よくある低予算ホラーと思いきや、シニカルな社会派映画としての側面も備えた脅威的な作り込み。まさに「ブラムハウス」らしさが前面に押し出された作品といえよう。
上位にはやはり、アカデミー賞で話題を集めた作品がずらりと並ぶ。スパイク・リー監督のメガホンのもと、白人至上主義団体への潜入捜査を試みる刑事を描いた『ブラック・クランズマン』が96%フレッシュ。後に『ラ・ラ・ランド』(16)でアカデミー賞を受賞するデイミアン・チャゼル監督の出世作となった『セッション』が94%フレッシュ。どちらも「ブラムハウス」がホラーだけのスタジオじゃないということを証明した快作だ。
また、『ゲット・アウト』と同じピール監督がメガホンをとった『アス』も93%フレッシュの高評価。こちらは主演のルピタ・ニョンゴの演技が高く評価され、アカデミー賞には届かなかったものの前哨戦での活躍ぶりはその年のアカデミー賞主演女優賞に輝いたレネー・ゼルウィガーを上回るほどであった。
それでも目立つのはホラーやスリラー映画の数々。なんといっても注目は、ユニバーサルのクラシック・ホラー作品をリブートした『透明人間』。元々は「ダーク・ユニバース」の一環として製作される予定だったが、同ユニバースの1作目が不発に終わったことから計画が見直され単発作品としてブラムハウスが手掛けることに。そして公開されるやコロナ禍の影響が直撃し、映画館が軒並み休業となった北米では急遽デジタル配信に移行し、大きな話題を集めた。オールドファッションなホラーの要素に、現代的なエッセンスを加えるアイデア性は脱帽ものだ。
ほかにも『ドクター・スリープ』(19)のマイク・フラナガン監督が手掛けたスリラー『サイレンス』(Netflixで配信中)や、殺人鬼と女子高生が入れ替わってしまうという奇想天外なストーリーでコロナ禍の全米公開でもヒットを記録した『ザ・スイッチ』(公開中)と、あまり批評家から評価されないジャンルでありながら高評価を連発。既成概念に囚われないユニークなアイデアで、映画の新たな可能性を切り開いていく「ブラムハウス」。今後どんな作品を世に送り出してくれるのか、注目は尽きない。
文/久保田 和馬
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