有村架純、菅田将暉は「絶対に人を否定しない人」『花束みたいな恋をした』で全幅の信頼
「悩む時期も楽しまなきゃいけないし、闘い続けないといけない」
有村自身の恋愛観についても斬り込んでみると「麦と絹のように、趣味が共通してなくてもいいんですが、私は嫌なことは嫌だと言います。例えば嘘をつかれることは嫌だとか、そういうことです」とキッパリ言う。
「また、人って少なからず承認欲求があるので、自分が『こう思う』ということに対して『わかるわかる』と言ってもらえると、その言葉だけでもほっとします。麦と絹はそれがカルチャーだったけど、好きなスポーツや音楽などの話が盛り上がり、恋愛に発展することは、きっと日常でもありふれていると思うので、本作は、誰もが共感できるラブストーリーかなと思います」と、演じた役柄にもシンパシーを感じた様子。
「たとえ辛い恋愛だったとしても、時間が経てば自分のなかで勝手に美化されるのかなと。なぜなら、自分を形成している一部分になっていくので、無下にはできないはずだから。だって、自分の感情が豊かになるのは、恋愛くらいじゃないですか。泣いたり笑ったり嫉妬したりは、もちろん友達にも抱く感情かもしれないけど、やっぱり恋愛でしか感じられない人間味が出るし、それが恋愛の醍醐味かなとも思います」。
有村は、現在27歳で、菅田と同い年だ。
「菅田くんは、次の時代を作っていかなきゃいけないという意識がすごく高いし、なおかつ自分の想いを行動で実態として表すこともできる方です。きっと自分も含め、20代前半ののころは『自分はこういうことを目指したい』という目標があったと思いますが、それを菅田くんが先陣を切って体現してくれることで、自分たちも勇気をもらえますし、尊敬もしてます。自分もそうやって、次の世代の方たちのために、また、先輩たちが作ってきてくれたものを壊さないためにも、ちゃんと結果を残していかなきゃいけないなとも思います」と気を引き締める。
「いまは忙しくさせていただいていた時期から少し落ち着いて、じっくりと仕事に向き合う時間が増えたので、今後どういう方向でやっていこうか悩む時期なのかなと。もちろん悩む時期も楽しまなきゃいけないし、闘い続けないといけないんですが、そこで諦めないという想いが大切です。いまやっていることが、いつ実りを迎えるのかわからなくっても、とにかくやり続けるしかない。あとは自分の感覚を信じて、選択をしていく感じです」。
取材・文/山崎伸子