「役者人生を終えても、いいと思えた」三石琴乃と山口由里子が振り返る、庵野秀明とミサト、リツコとの25年
「以前の庵野さんは、“途方にくれた迷子”のようだった」(三石)
――「『エヴァ』のアフレコ現場は戦いのよう」というお言葉がありましたが、お二人にとっても特別感のある現場なのですね。
三石「これだけたくさんの時間をかけて収録するというのも、なかなかできないことだと思います。短時間でもハイクオリティを出すというのが、私たち声優としてのプライドだったんですが、時間をかけて想いを深く、深く掘り下げていくというのが、『エヴァ』の現場だと思います」
山口「庵野さんのなかに、ある程度の正解枠があると思うので、そこまで達するか、それ以上の演技をしないと納得できないんだと思います。だから何度もトライさせてくださる。こちらとしては『1回でクリアするぞ!』と思って挑んでいますけれど(笑)」
三石「庵野さんに『三石さんの場合は、だいたい1テイク目になるんだよな』と言われたことがあって(笑)。いろいろやってみて『これは違う、これにしよう』と考える時間が必要なのかもしれません。また、その場で生まれた意外なテンションや、意外な声のかすれ具合など、計算されていない瞬間を求めていらっしゃるようにも感じていたので、こちらも極力ピュアに邪念なく、役に臨むようにしています」
――シンジ役の緒方恵美さん、アスカ役の宮村優子さんに伺ったところ、庵野総監督の様子がテレビシリーズ当時と、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズでは、まったく違っていたとお話されていました。お2人もそういった変化を感じていますか?
三石「ものすごく変わりましたよ!まず靴下を履くようになったことに、顎が外れるほどびっくりしました(笑)!」
山口「あはは!本当に変わったよね。目を見て話してくださるようになりました(笑)。私はいつも『庵野さんと話したいな』と思っているんですが、以前は『今日の雰囲気はどうかしら?』とちょっと様子を伺いながらお声がけしていたんです。でもいまはいつもニコニコしている。私たちは、作品ごとの節目節目で庵野さんと一緒にプチ打ち上げ(収録終わりの飲み会)をするようにしているんですが、それも穏やかでとっても楽しい時間でした。最高でしたね」
三石「すごくいい時間だったね。以前の庵野さんは、途方にくれた迷子のように立っている…という印象が強かったかもしれない」
山口「その変化があってこそ、この『シン・エヴァンゲリオン劇場版』なんだなと思います。だからこそ、シンジくんがゲンドウのところに行けた。でもお菓子ばかり食べるところは変わっていないかも(笑)。とにかく、本当におもしろい方です」
各劇場HPをご確認ください。
https://theater.toho.co.jp/toho_theaterlist/shin-evangelion.html
※ご鑑賞の際は各劇場での感染対策にご協力をお願いいたします。
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