小林聡美×松重豊、アン・ハサウェイ×ロバート・デ・ニーロらが贈る人間賛歌!『ツユクサ』など心温まる、大人の観るべき映画8選
ふとした瞬間に訪れる奇跡を大切に“いま”を精一杯生きる…『LIFE!/ライフ』『1秒先の彼女』
芙美の日記のように、彼女の日常生活を映しだす本作。“普通”な日々に訪れた奇蹟の輝きは海外のファンタジー作との共通性を感じさせる。ベン・スティラー監督&主演の『LIFE!/ライフ』(13)でも、人生に不器用な男性に訪れた奇跡が描かれる。フォトグラフ雑誌「LIFE」編集部で写真管理をするウォルター(スティラー)は、廃刊が決定した最終号の表紙に掲載する写真を手に入れるため、冒険家のショーン(ショーン・ペン)を探す旅に出る。空想ばかりで行動を起こさなかったウォルターが、外へと飛び出していき体験する壮大な景色がドラマティックに作品を彩った。
そして2人の間に起きるタイムラグが奇跡を呼ぶラブファンタジーが『1秒先の彼女』(20)。郵便局で働くシャオチー(リー・ペイユー)は、イケメンのダンス講師とバレンタインデートをすることに。しかし彼女が当日の朝目覚めると、なぜかすでにバレンタインデーの翌日になっていた!人よりワンテンポ早いシャオチーとワンテンポ遅いグアタイ(リウ・グァンティン)の人生が交差したことで起きる、予想だにしない奇跡にはきっと誰しも驚くことだろう。
芙美は帰宅途中に落ちてきた隕石にぶつかり、またある時は吾郎から教えてもらってツユクサの草笛が吹けるようになる。1億分の1の確率といわれる隕石の衝突、そして草笛の習得という些細な出来事、そのどちらも芙美の日常に起きた奇跡だ。芙美はこの奇跡を大切に、いまを精一杯生きることを決心する。
悩んだり喜んだりしながら日々を生きていく人間の在り方にフォーカスして共感と感動を誘うヒューマンドラマたち。観る者の心を温かくしてくれる人間賛歌を堪能しつつ、『ツユクサ』の公開を楽しみにしてほしい。
文/足立美由紀
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