“双子”の殺し屋を演じた津田健次郎&関智一、自身にコードネームをつけるなら…「声優」と「ちくわ」!?
「『映画って自由でいいんだ』と思わせてくれました」(関)
――本作では、海外から見た日本の表現も注目だと思います。原作では東京から盛岡行きの列車だったのが京都行きに変わっているなど、異なる設定や美術セットもハリウッドらしさがあり、ワクワクします。気になった日本の表現はありましたか?
津田「やっぱりありえない場所に富士山が出てくるところです。ここは外したくないんだと感じました」
関「あとは京都だよね」
津田「超高速列車が止まるはずのない京都駅にわざわざ止めるのは、そうまでして入れたい製作陣の気持ちのあらわれ。富士山、京都、あとは…」
関「ヤクザとかね」
津田「“ザ・日本”が好きなんだと思います。台本もすごくおもしろくて、ト書きに『富士山が見える。ここに?』って書いてありました(笑)。もうとっくに過ぎたよね?というところで富士山を登場させるのは、設定的にはおかしいけれど、無理矢理にでもやりたいという気持ちがすごく出ていてわかりやすかったです」
関「全体的に、外の風景は霞がかっているような、霧深い雰囲気を感じました。中国と合わさったような表現は昔からよくあるけれど、なんとなく新しさも感じる部分でもありました。最後のほうに出てきた道路標識も、いい意味でいい加減さを感じて『映画って自由でいいんだ』と思わせてくれました。変なところで富士山が出てきてもいい。ここに出したいから出す、映画作りってそれでいいんだと気づかされました。作品をつくる時には、どこかちゃんとしなきゃいけないという想いもあるし、なにかと縛られがち。そんなふうに考えてしまうからこそ、スカッとするというのかな。自分の感覚をもう一度開かせてくれたような感じがしています」
津田「冒頭の東京のネオン街は、ちょっと日本っぽくなくギラっとしています。ウォン・カーウァイ作品を観た時に『かっこいい』と感じたあの雰囲気が、今回のあのシーンに感じられました。日本をこんなふうにかっこいいと思ってもらえている、そこはおもしろいと思ったし、うれしいと感じた部分です」
取材・文/タナカシノブ