【連載】「MINAMOの話をきいてミナモ?」 第8回 元汚部屋住人の三度の気づき
いま人気急上昇中のAV女優、MINAMOが愛する映画や本、音楽、さらには自身の様々なことを語る連載「MINAMOの話をきいてミナモ?」。第8回は、汚部屋に住んでいた過去を持つMINAMOが質の良い生活について語ります。
正直に言う。私はかつて汚部屋住人であった
便利な物が次々と現れる世の中に感謝しながら、便利グッズなるものにハマっている私はインターネットで「QOL」という言葉を見つけた。いったい何やそれはと思った私はさっそくGoogle先生に聞いた。そうするとそれは「クオリティ・オブ・ライフ」の略であった。直訳すると「生活の質」だそうだ。
QOLが注目される主なきっかけとなったのは、働き方改革と健康経営だそうだが、今では「#QOL向上」とInstagramで使われるほどでより身近なものとなった。生活の質を上げようにも、生きているだけで身も心も消耗するのだからそんなうまくいく話ではないな、などとぼやきながら私は「質の良い暮らしってなんだろうか」と考え出した。毎朝白湯を飲み、ヨガをする。野菜を育て、サラダに入れたり天ぷらにしたりする。身体をいたわり、食にこだわる、掃除は隅から隅まで綺麗にし、趣味を楽しむ。これがおおよその「質の良い暮らし」ではなかろうか。
正直に言う。私はかつて汚部屋住人であった。何をもって汚部屋というのかは分からない。だが、いろんな人が私の部屋を見て汚部屋だと言ったのだからそうなのだろう。足の踏み場がない床に、物が積み重ねられすぎてミルフィーユ状態の机の上、もはやどれがゴミか分からない。部屋をきれいにするために買った物すら放置し、ただ物が増えただけになる。腐ったゴミも部屋の中にあったが、そもそも部屋が汚すぎて気がつかない。そんな部屋に住んでいた。今思い返せば、確かに汚部屋としか言いようがない。
数えきれないほど、人に部屋が汚いと言われても何とも思わなかった私だが、今何故変わったのかは分からない。思い当たることはただひとつ。好きな人を部屋に入れた時、なんとカップラーメンが腐っていたのだ。その人はさぞびっくりしたであろう。だが彼は何も言わずにその腐ったカップラーメンを片付けてくれたのだ。そこで私はようやく羞恥心というものが芽生えた。遅すぎやしないか。汚部屋住人はこの後、三度の気づきを得て生活の質に向き合うこととなる。
京都府出身。2021年6月にSOFT ON DEMANDよりAV女優としてデビュー。趣味は映画&レコード鑑賞、読書。
YouTubeにて「MINAMOジャンクション」を配信中。
Twitter:@M_I_N_A_M_O_
Instaglam:minamo_j
人気セクシー女優がエンタメ愛を語るエッセイ連載「MINAMOの話をきいてミナモ?」