デビュー10年を迎えたBTS。『Burn the Stage : the Movie』から最新ドキュメンタリーまで、劇場公開作品でたどる軌跡と未来
本日、2023年6月13日でデビュー10周年を迎えたBTS。11か月ぶりのメンバー全員での新曲「Take Two」が発表されたるなど、韓国のみならず世界中で「2023 BTS FESTA」が大きな盛り上がりを見せている。さらに、現在ディズニープラス「スター」で配信中のJ-HOPEとSUGAのソロドキュメンタリーが、映画『j-hope IN THE BOX』と『SUGA: Road to D-DAY』として6月23日(金)より1週間限定で劇場公開が決定。BTSデビュー10周年&2人のドキュメンタリーの劇場公開を記念して、これまで公開されてきたBTSの映画作品を振り返っていきたい。
初のドキュメンタリー映画『Burn the Stage : the Movie』(18)
BTSは2018年から2020年まで3年連続でドキュメンタリー映画を公開している。第一作目の『Burn the Stage : the Movie』(18)は、日本を含めた世界19都市、約55万人を動員したワールドツアー「2017 BTS LIVE TRILOGY EPISODE Ⅲ THE WINGS TOUR」の舞台裏に300日間密着。ただでさえ新曲の準備やツアーで忙しいはずなのに、300日間もカメラに密着されるなんて、尋常ではない。だけど彼らはそれを「ファンは僕たちが舞台裏でどういう姿なのか知りたいはず」(J-HOPE)、「ありのままの姿を見せよう」(RM)と、本来ならば見せる必要がない裏の裏側まで、私たちと共有してくれている。
JUNG KOOKが体調不良となり、倒れそうになりながらも懸命にステージをこなそうとする姿や、VとJINの意見がぶつかり合い、リーダーのRMが「プロらしくない行動はやめよう」と2人の仲をとりもつ様子なども余すことなく描かれている。また、東京公演の合間にパン・シヒョク代表が「幸せになる方法を探さないといけないんじゃないか?」とメンバーに問いかけるシーンも印象的だ。「多くの人がBTSの音楽で幸せになり癒されているのに、BTSが幸せでなければそのメッセージは偽りになるから」と。こうしたBTSの想いが、彼らが常々掲げているメッセージ、“Love Myself”へと繋がったのだと思う。そして映画ではナレーションをSUGAが担当しているので、こちらも大事な見どころのひとつだ。
7人の絆を再確認できた『BRING THE SOUL: THE MOVIE』(19)
翌年公開された『BRING THE SOUL: THE MOVIE』(19)は、2018年に行われた「BTS WORLD TOUR‘LOVE YOURSELF’」を振り返る内容だ。ヨーロッパツアー最終日の翌日、フランス、パリでメンバーだけで開かれた会食のシーンから本編は始まる。7人で食事をしながら、ソウルから始まったワールドツアーを振り返っていく。時にはメンバー同士でふざけあったりからかったりしながらも、会話の節々にお互いを想いあっているのがよくわかり微笑ましい。前作のドキュメンタリーはポエティックなナレーションやドラマチックな演出が多かったが、今作ではメンバーの日常がよりリアルに映しだされており、改めて7人の強固な絆を再確認できるし、もっと彼らを身近な存在に感じられる内容だ。
ツアー中でもホテルに引きこもり、曲作りに励むSUGA。そんなSUGAとは対照的に、ヨーロッパ観光を楽しむJIN。この頃のJINは海外へ行くと、「Do you know BTS?」と街行く人々に声をかけることが度々あったのだが、そんな微笑ましい姿も収められている。
ライブがうまくいかず涙を流すJUNG KOOKやVの姿も。彼らにそっと優しく寄り添い、抱きしめるのは、2人と一番歳の近いヒョン(兄)であるJIMINだ(実際はVと同い年だが、JIMINのほうが誕生日が早い)。Vが喉を痛めて高音が出ず苦しんでいる様子を、ステージ上でも裏側でもすごく気にかけているJIMINに心打たれる。唯一の同い年で、練習生時代から互いに支え合い苦楽を共にした“チング”(友達)だからこそ、Vの辛い気持ちを誰よりも理解しているのだろう。ちなみにクオズ(VとJIMINのコンビ名)は「Friends」という2人だけの曲もリリースしている。2人のこれまでの思い出とこれからの“約束”が描かれた楽曲で、歌詞がとても感動的なのでまだ聴いたことがない方はぜひ聴いてみてほしい。