新進気鋭の初監督作から受賞監督の凱旋上映まで!第20回「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2023」国内コンペ出品の14本をチェック
あの受賞監督の凱旋も!国内コンペティション部門長編6本の見どころは?
過去最多となる92本の応募があった国内コンペティション部門の長編作品だが、そのなかから若き新鋭監督の個性が光る力作6作品がノミネートされた。ヒューマンドラマ、SF、コメディ、ミステリー、ホラーと幅広いジャンルの作品が結集したので、ぜひご覧いただきたい。
UFO遭遇情報に端を発する、数々の不可解なミステリー『地球星人(エイリアン)は空想する』
正義感が強く、嘘を憎む記者、宇藤のもとに、「UFOのまち」石川県羽咋市で起きた「大学生エイリアンアブダクション事件」のネタが舞い込む。その嘘を暴こうと取材を始めた宇藤は、不可解な事件の沼にハマっていく。監督は、脚本、編集のみならず、美術や撮影にも携わる八面六臂の活躍を見せた松本佳樹で、本作で長編デビューを果たした。
救済の本質を問う哲学系ホラー『ヒエロファニー』
臨床心理士の詩織は娘の死をきっかけにクリニックを退職し、図書館で無料相談を始める。ある日、神父の長谷川に、問題を抱えた信徒の辻村に会ってほしいと頼まれる。詩織は辻村に会いに教会へと向かう。マキタカズオミ監督は、本映画祭で2013年、2015年、2019年に短編がノミネートされていて、今回は初長編作品での凱旋となる。
兄弟たちが心のほころびを繕おうとする『繕い合う・こと』
亡き父の跡を継いで、金継ぎ師の道を選んだが、あるわだかまりを抱える兄の護と、兄に対して焦りや羨望から苛立ちを覚える弟、幹。この不器用な兄弟と周囲の人々が織り成す人間ドラマを手掛けたのは俳優の長屋和彰で、本作が主演、脚本、編集も務めた初の長編監督作となる。長屋は弟役の黒住尚生と、絶妙な距離感で息の合った芝居を見せている。
“何気ない日常”なのに未知の映画体験ができる『十年とちょっと+1日』
地元を離れ都会で暮らす原崎、菊島、森田が、地元で10年ぶりに再会。原崎と菊島はとある出来事をきっかけに疎遠になっていたが、森田の計らいで3人の空いていた時間が少しずつ埋まっていく。日常の空気感に油断していると、唐突に鋭利な刃物が差し込まれ、気付けば緊迫感に飲み込まれていくという不思議な体験ができる異色作。
残酷な世界で生き延びるためのすべを描く『ブルーを笑えるその日まで』
学校に馴染めない中学生アンの唯一の居場所は、薄暗い立入禁止の階段。ある日、不思議な商店でもらった魔法の万華鏡を覗いてみると、立入禁止のはずの扉が開き、その先の屋上で同じ万華鏡を持った生徒アイナと出会う。自身の経験から本作を作ったという武田かりん監督の切実さは、俳優たちのみずみずしさと相まって観る者の心を打つ。
美しい白黒映像と実力派俳優陣の競演にうなる『泡沫』
有名建築家の家系に生まれたセイジロウは、祖父の80歳の誕生日を祝うため、メキシコ留学を終えて帰国。親戚一同が会するなか、偶然出会った写真家のラナと日本各地での廃墟の写真を撮った旅の記憶が蘇る。監督は短編『未来は明るい』(17)が様々な映画祭で入選したフランス人のアドリアン・ラコステで、本作が待望の長編デビュー作となる。
現場からお届け!もっと楽しむ「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2023」特集【PR】
■SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2023
日程:【スクリーン上映】7月15日(土)~7月23日(日)、【オンライン配信】7月22日(土)~7月26日(水)
会場:SKIPシティ 彩の国 ビジュアルプラザ 映像ホールほか
内容:国際コンペティション、国内コンペティション(長編部門、短編部門) ほか
URL:https://www.skipcity-dcf.jp/