「激推しせざるを得ない」『BAD LANDS バッド・ランズ』の中毒性とは?金メダリストや漫画家まで、著名人の声で解説!
著名人たちのコメント全文
●赤ペン瀧川(映画プレゼンター)
「痺れました!血と汗と土埃の匂いが充満するスクリーン。俳優の毛穴からあふれ出す色気とオーラ。その全てを吹き飛ばすような風を起こす疾走感。全シーンが格好良いハードなクライムサスペンス!激推しせざるを得ない!」
●阿部詩(柔道家、パーク24)
「見たこともない、知らない世界をずっと覗き見しているようなワクワク、ドキドキ。この先、主人公の二人はどうなるんだろうと、最後まで予想のつかないストーリーでとても面白かったです。血はつながっていなくてもそこに愛は存在するんだと、見ていて心が動かされましたし、自分の人生を生きるということは、こういうことなんだと感じました」
●井上咲楽(バラエティタレント)
「緊張感、高揚感、焦燥感。感情が追い付けないほどの絶え間ない怒涛の展開、一気に見ました。私が過ごしてきた環境では感じえない、圧倒的でダークな世界、その中で渦巻く人情や姉弟の愛をどっぷりと覗き込み、ふと気づけば汗だくになるほど没頭してしまいました。音楽も泥沼さも、一つ一つがなぜか美しい。ぜひ多くの方に見てほしいです」
●宇賀なつみ(フリーアナウンサー)
「見てはいけないものを、見てしまった。犯罪者を少し離れた場所から眺めているような、不思議な感覚に陥っていた。苦しいのに先が気になって、苛立たしいのに惹かれている。はたして、正義とはなん何なのだろうか?本当の悪人など、この世界に存在するのだろうか?私にはまだわからない。ただ、信じたい。どんな人間にも、誰かを愛する心はあるのだと」
●金原由佳(映画ジャーナリスト)
「山田涼介の放つ真意の見えない微笑みと怖さ知らずの凶暴性。安藤サクラがポーカーフェイスで隠す、壮絶な痛みと、逃げ道への希求。これ以上下がりようもない地獄から天上の楽園への出口を、この2人と探し、絶望し、もだえ、騙し騙される愉楽。這い上がれ!」
●小島秀夫(ゲームクリエイター)
「“コレコレ詐欺”ではない。正真正銘の大傑作だ!こんな映画が日本から現れるのをずっと待っていた!”大阪“という異世界でしか誕生しえない新世代&新世界“OSAKA”ノワール!この大阪弁なら、世界中で通用するはずだ。黒川博行ファンとしても、むちゃ嬉しいわ」
●佐々木俊尚(作家・ジャーナリスト)
「機関銃のように繰りだされる大阪弁、カッコ良すぎるダークヒーローたち、1970年代的な重い疾走感。なにもかもが最高」
●辛酸なめ子(漫画家、コラムニスト)
「COOLで仕事ができて、語学に堪能で料理も上手で、勇敢で優しい…闇社会にいながら憧れ要素が満載のネリ。常に確固たる足取りで歩いています。どんな場面でも自分の能力を最大限に生かせるのは、自信があってゆらがない軸を持っているからでしょうか。社会の底辺でも、心は落ちぶれない、その品格とプライドに女性としてエンパワーメントされました。弟ジョーがそんなネリに憧れるのは当然です。ネリを見つめるジョーのけなげな眼差しに萌えながらも、かわいい弟をスルーするネリの不動の心にも圧倒されました」
●新谷里映(ライター)
「安藤サクラに惚れる。とことん惚れさせてくれる映画だ。彼女が演じるネリは、特殊詐欺を生業とする犯罪組織で生きる女性。生きにくい世界のなかで生き抜こうとするネリの姿に、観る者それぞれが自分にとっての生きにくさ、生きにくい環境を重ねる。そしてネリに未来を託したくなる。役と俳優がぴたりと重ならなければ生まれない圧巻の演技、そこに込められた生き抜く強さ。どうしたってネリに、安藤サクラに、惚れてしまうのだ」
●人間食べ食べカエル(人喰いツイッタラー)
「変に美化することもなく、綺麗事も吐かず、全員がそれぞれのクソ野郎を全うする。そこがこの映画で最も気に入ったところ。善や悪で分けず、立場や目指す先の違いでぶつかり合い、命を削る。書き割りではない、命を持った登場人物たちの決死の生き様がこの映画には詰まっている。豪華役者陣の新たな一面もたくさん見られます。個人的なMVPは天童よしみさん。あんな姿を見たらもう、ナメれません」
●長井優希乃(ラジオパーソナリティ)
「人は他人の人生を『恵まれている』、『恵まれていない』とジャッジする。この姉弟の生き様に触れてゆくうちに、当初自分にそのような傲慢な気持ちが芽生えていたことを恥じた。私は、ネリのように生きづらさをナイフで切り裂いて、自らの足で『生きる』という真の自由のために全力で走ったことがあっただろうか?生と死を綱渡りで全うする姿は危うく美しく、誰にも自分の人生をジャッジさせない強さがあった」
●前田エマ(モデル)
「スピーディーな展開に夢中になりながらも、なにかが心に引っかかって、すっきりしない。このモヤモヤを映画を観た後も引きずっている。ひん曲がった、それでいて素直な、“愛”と呼ぶのも納得がいかないような結末を作り上げたのは、この社会なのか。それぞれがそれぞれの形で“愛”を真っ当しているのだったら、この怒りはどこにぶつけたらよいのだろうか」
●マキヒロチ(漫画家)
「ネリが何故人生に悲観せずに淡々と生きていけるのか…彼女の怒りでも諦めでもない表情からずっと目が逸らせなかった。バッド・ランズだとしても、血のつながりを超えた愛と彼女の走り去る姿に希望を見た」
●松浦弥太郎(エッセイスト)
「人間誰しも『いまに見てろ』と歯をくいしばる苦しみを持っている。あの日あのときと決別しようと駆け出すときを待っている。チャンスをつかめ。逆転劇を起こすんだ。夢に向かって走れ。僕にそう思わせた主人公ネリの美しい瞳が忘れられない」
構成・文/サンクレイオ翼