『ダークナイト』『インセプション』『インターステラー』…ファンが選んだ好きなクリストファー・ノーラン監督作品ランキングを発表!
6位はノーランお得意の時間逆行のファーストインパクトとなった『メメント』
6位は、ガイ・ピアース演じる“10分しか記憶を保てない”男が妻を殺害した犯人を捜そうと奔走するミステリースリラー『メメント』(00)。日本に初めて上陸したノーラン作品をファーストインパクトとして高評価する声も少なくない。「最初のノーランとの出会い、ファーストカットのリバースシークエンスから味わったことのない感覚を覚えています」「なんといっても、ストーリーを逆回転で観せる手法が衝撃でした。私にとってのノーラン作品ベスト1です」など、熱量高めの声が並ぶ。『TENET テネット』へと発展した時間逆行のアイデアも秀逸で、本作もリピーターは多い。「時間軸をすべて逆転させる、クリストファー・ノーランはすべてを逆行することで究極のリアリズムを体現した稀有な存在。スタンリー・キューブリック亡き今、映画界で商業的、アートとして成功しているノーラン監督の原点は映画的要素がすべて詰まった色褪せない傑作」「最後の大どんでん返しがすごいノーラン作品の中でも、ラストの終わり方が一番衝撃的でした!」という声を聞くと、もう一度見直したくなるファンも多いのでは?
7&8位はバットマンの魅力を再発見させてくれた「ダークナイト」トリロジー
7位は「ダークナイト」トリロジー第1作『バットマン ビギンズ』(05)、8位はトリロジー最終作『ダークナイト ライジング』(12)がランクイン。『バットマン ビギンズ』には、「論理的かつ超現実的観点からバットマンの存在を見事に捉えている。ブルースの内面を奥深く共感できるところまで磨き上げており非常に没入感がある」「ヒーローものにはあまり興味がないのですが、バットマンは傷つきながらそれでも自分の正義を追求していく姿がとても格好良くて、3部作あっという間に見てしまいました。唯一シリーズ完走したヒーローものです。バットマンは私にとって一番のヒーローです」というコメントが。『ダークナイト ライジング』には、「冒頭の旅客機のシーンは自分の映画鑑賞史上一番衝撃的な体験でした。そして最後のアルフレッド(マイケル・ケイン)のシーンに涙が止まらなくて困りました。すべての作品が好きで選ぶのが苦しいですが初見時の感動が一番大きかったのは本作です」「全編を通しての緊張感!そして、ラストの高揚感!最高すぎる!」などのアツい声が寄せられている。
9~11位はノーランの映像スタイルに脱帽した初期作など
9位はヒュー・ジャックマンとクリスチャン・ベールが人気マジシャンを演じた奇想天外なミステリー『プレステージ』(06)、10位はアル・パチーノが不眠症の警察官を演じたサスペンススリラー『インソムニア』(02)、11位はノーランの長編映画監督第1作『フォロウィング』(98)。『ダークナイト』で大ブレイクする以前の作品が鑑賞者数の差で下位に来てしまうのは仕方がないところだが、それでも見逃せない作品には違いない。『プレステージ』には「脚本、カメラワーク、色彩、すべてが完璧で最後まで完璧」「やっぱりノーランと言えば『フィルム』+『時間』+『リアル』だよね。あと『過去に囚われた男』。それらが全てある一本」という賛辞のコメントが。ノーランのハリウッドメジャースタジオでのデビュー作となった『インソムニア』には「アル・パチーノ×ロビン・ウィリアムズの演技合戦、白夜に追い込まれる感覚を味わえる」「不安を煽る天才」という声が寄せられた。
最後に、いよいよ日本公開を迎える最新作『オッペンハイマー』。本作でノーラン監督は、第二次世界大戦下、“マンハッタン計画”に参加して原子力爆弾を開発し、世界の命運を握ったとされる天才科学者J・ロバート・オッペンハイマーの栄光と没落の生涯を描きだす。ファンから『オッペンハイマー』に寄せられた期待のコメントも紹介しよう。「日本国民として、世界国民としてと様々な視点の角度から見ると見方が変わり、すばらしい作品であった」など、すでに海外で鑑賞したファンからの声もあり、期待は高まる。日本で公開を待つファンからも「見るたびに、ベスト作を更新させてくれるノーラン監督。『オッペンハイマー』もそうであるに違いない」「やはり最新のクリストファー・ノーラン!これまでの集大成!」などのコメントも熱い。シリアスな題材だけに、「日本人としては、すごく複雑で難しい題材だということはわかっているのですが、私は日本人だからこそ、この目で見て、そしてきちんと考えなければならないと思っています」「昨今世界中で紛争中の国々のニュースを日々見聞きするなかで日本人として改めて過去、現在、未来への戦争そして原爆に対する考えを深めたいと思いました」といった声も。いずれにしても、必見の注目作であることは間違いない。
文/相馬学
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