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『オーメン』から半世紀…“悪魔の子”ダミアン、苦悩と闘争の道のり

コラム

『オーメン』から半世紀…“悪魔の子”ダミアン、苦悩と闘争の道のり

“2006年6月6日”に放たれた、第1作の進化系

シリーズ誕生から30年。さらにショッキングに進化した公式リメイクが登場
シリーズ誕生から30年。さらにショッキングに進化した公式リメイクが登場[c]Everett Collection/AFLO

ダミアン3部作の10年後には、ダミアンとは別の“悪魔の子”を描いた番外編のテレビ映画『オーメン4』(91)が制作される。それからさらに15年、“2006年6月6日”という「オーメン」に相応しい日に全世界公開されたのが、第1作の公式リメイクとなる『オーメン』(06)。物語は概ね同じだが、ショックシーンがダイナミックに進化を遂げた。

ダミアンを演じたシーマス・デイヴィー=フィッツパトリックの鋭い目つきが、旧作のダミアンの無邪気さとは一線を画すような意図的な“悪”を感じさせる。ちなみに“初代ダミアン”であるハーヴェイ・スペンサー・スティーヴンスが、今作で30年ぶりにスクリーンに復帰。タブロイド誌の記者役としてカメオ出演を果たしている。

第1作とのリンク多数!イケメンなダミアンが描かれるテレビシリーズ

第1作の続編として、別の世界線で物語が進むドラマシリーズ「オーメン」
第1作の続編として、別の世界線で物語が進むドラマシリーズ「オーメン」[c]Everett Collection/AFLO

第1作の直接的な続編であり、第2作や第3作とは異なる世界線を辿っていくテレビシリーズ「オーメン」は、シリーズ誕生40周年を記念して制作された。30歳になったダミアン(ブラッドリー・ジェームズ)は、戦場カメラマンとして活動するなかで、謎の老婆との対面をきっかけに封印されていた子ども時代の記憶をよみがえらせる。やがて彼の周りで不審な死が相次ぎ、自身の運命を知ることになる。


“悪魔の子”として覚醒しなかったダミアンが、自身のルーツを知って苦悩し葛藤する姿は、ホラードラマというよりはオカルト要素の入ったヒューマンドラマ。第1作のフッテージが多数散りばめられているだけでなく、各エピソードでそれにつながる登場人物やエピソードが登場。現代的でイケメンなダミアンが登場し話題を集めたものの、惜しくも全10話で打ち切りとなってしまった。

最新作『オーメン:ザ・ファースト』は“原点”に迫る物語

 『オーメン:ザ・ファースト』では、教会の恐ろしい計画を知ってしまう修道女が主人公に
『オーメン:ザ・ファースト』では、教会の恐ろしい計画を知ってしまう修道女が主人公に[c]2024 20th Century Studios. All Rights Reserved.

そしていよいよ公開される『オーメン:ザ・ファースト』は、劇場用作品としては18年ぶりに制作されたシリーズ最新作。ローマの産院で生まれたという“悪魔の子”ダミアンの出生の秘密がついに明らかにされる。

アメリカ人女性マーガレット(ネル・タイガー・フリー)は、新たな人生を歩むべく修道女になると決意し、ローマの教会で奉仕を始める。そこで共に暮らす問題児のカルリータ(ニコール・ソラス)にかつての自身の姿を重ねるなか、マーガレットの周囲では不可解な死が相次いで発生。さらに教会を破門されたブレナン神父(ラルフ・アイネソン)から、教会が恐怖で人々を支配するために“悪の化身”を誕生させようと企てていることを知らされる。

教会の恐るべき計画を明らかにしようと立ち上がるマーガレットに待ち受ける戦慄の真実とは。そして今作で我々はどんな恐怖を目撃することになるのか…。

シリーズのファンはもちろんのこと、これまでのシリーズ作を観たことがないという人もここから入っていける“原点”を、是非とも劇場で味わってほしい。

文/久保田 和馬

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