BTSのSUGAが生き様を体現した、ファン熱狂のコンサート『SUGA Agust D TOUR ‘D-DAY’ THE MOVIE』をARMYライターがレビュー!

コラム

BTSのSUGAが生き様を体現した、ファン熱狂のコンサート『SUGA Agust D TOUR ‘D-DAY’ THE MOVIE』をARMYライターがレビュー!

BTSメンバーの絆を確かめられるコラボと自信の内面に深く迫るパフォーマンス

JIMINとのコラボステージ
JIMINとのコラボステージ[c]BIGHIT MUSIC & HYBE. All Rights Reserved.

本作では、RMJIMINJUNG KOOKがゲストとして登場したコラボステージも収録。メンバーと一緒にいるときのSUGAはやっぱりどこか安心しているように見えるし、一気に表情が“ミン・ユンギ”に戻ったような気がして、メンバーとの絆が感じられる。

RMはAgust Dの楽曲「Strange(feat.RM)」を熱唱。「生きるって幸せなのか、苦しいことなのか?」というSUGAの問いかけに、RMが「正解はない、それが正解だ」と答えるこの楽曲は、歌詞があまりにも深すぎて考えさせられる。改めてBTS の楽曲面を支えている2人の、知性あふれる言葉選びや思考の深さに感動する。

共にBTSのサウンドプロデュースを手掛けるRMとのステージ
共にBTSのサウンドプロデュースを手掛けるRMとのステージ[c]BIGHIT MUSIC & HYBE. All Rights Reserved.

JIMINは「Tony Montana(with JIMIN)」を披露。この楽曲をSUGAとJIMINがステージで披露するのは、なんと2016年以来!レアなパフォーマンスを映画館で見られるだけでもありがたいが、実際に会場で見られたARMYはなんて幸運なのだろうか…。BTSでは高音の美声で魅了しているJIMINが、この曲ではSUGAと共に力強いラップをバチバチにキメていて、最高にかっこよかった。


そしてJUNG KOOKは、「Burn It(feat.MAX)」でコラボステージを。JUNG KOOKはSUGAと一緒にステージを本当に楽しんでいることがスクリーン越しにも伝わってきたし、相変わらずの声量に圧倒された。JUNG KOOKはその後に行ったWeverse Live(ライブ配信)でも、「コンサートで歌えてARMYたちに会えて本当によかった!僕もコンサートやりたい!!!」と、ライブへの意欲を示していた。

こうしてメンバー3人のコラボステージを見ると、「やはりBTSって最強だな、圧倒的王者なんだ」と、改めて思う。もちろんSUGAのソロパフォーマンスだけでも満足すぎるほど満足なのだが、さらにSUGAの魅力を引き出し、SUGAが安心して隣でラップをバチバチにかますことができるのは、きっとこの世でBTSのメンバーしかいない。

公演後にライブへの思いを熱く語ったJUNG KOOK
公演後にライブへの思いを熱く語ったJUNG KOOK[c]BIGHIT MUSIC & HYBE. All Rights Reserved.

ライブ後半では、ピアノの弾き語りで「Life Goes On」を披露。BTSの「Life Goes On」として制作されたが採用されなかったメロディを、再編集して作った一曲だ。会場いっぱいに光り輝くアミボム(BTSのペンライト)に囲まれながら丁寧に歌い上げ、時おり優しい表情で会場を見渡すSUGAがとても印象的だった。

そして「AMYGDALA」。これはSUGAのトラウマと過去の苦悩について赤裸々に語った楽曲。「早く私を救ってくれ」と苦しい歌詞が続くこの曲の後にパフォーマンスしたのは「D-DAY」だ。「未来は大丈夫だ」というフレーズから始まり、「過去は過ぎていった」「憎しみに覆われた世界に再び 蓮の花が咲く」と、前向きな言葉が綴られている。個人的にはこの2曲が、今回のツアーの核心に迫る楽曲なんじゃないかと感じた。SUGAは、「『D-Day』はSUGAの人生のどの辺りが表現された曲なのか?」という問いに、「今」と答えていた。過去のありのままの自分を受け入れて、“SUGA”、“Agust D”、“ミン・ユンギ”それぞれが明るい未来を受け入れていく…。2曲のパフォーマンスからは、そんなSUGAの覚悟や希望が垣間見えたような気がした。

新宿バルト9で行われたアミボムライト連動応援上映
新宿バルト9で行われたアミボムライト連動応援上映[c]BIGHIT MUSIC & HYBE. All Rights Reserved.

「アーティストにとって公演は欠かせないものです」「公演をして初めてアーティストという職業が完成すると思っています」「僕は公演を愛しています」と、SUGAは語る。その言葉どおり、彼がどれだけライブに魂を込めているのか、どれだけの情熱を注いでいるのかは、本作を観れば十分すぎるほど伝わるはずだ。IMAXでの大スクリーンやアミボムの持ち込み&歓声OKの上映も実施され、ライブ会場さながらに盛り上がることができるので、ぜひ足を運んでSUGAの“生き様”を見届けてほしい。

文/紺野真利子


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