世界最速公開の『デッドプール&ウルヴァリン』が初登場!待望の“MCU入り”で、アメコミ映画のゲームチェンジャーになれるのか
7月26日から7月28日までの全国映画動員ランキングが発表。夏休みまっただなかの今週も、『キングダム 大将軍の帰還』(公開中)と『怪盗グルーのミニオン超変身』(公開中)の熾烈なデッドヒートが展開。軍配が上がったのは後者、『怪盗グルーのミニオン超変身』が公開2週目にして大逆転でNo. 1に浮上した。
“R指定ヒーロー”が夢の共演!『デッドプール&ウルヴァリン』は3位発進
今週は上位2タイトルに触れる前に、3位に初登場を果たした『デッドプール&ウルヴァリン』(公開中)から取り上げていきたい。北米ではオープニング週末興収2億ドルを超える破格のヒットスタートを飾った同作は、7月24日に世界最速での日本公開を迎えた。週末3日間の成績は動員29万7700人、興収5億1300万円となり、初日から5日間での累計成績では動員49万人、興収8億円を突破している。
この成績を「デッドプール」シリーズの過去作と比べてみると、今作と同じ水曜公開だった『デッドプール』(16)は最初の土日2日間で25万人弱の動員と3億8000万円強の興収を記録し、最終的には興収20億円超えを達成。続く『デッドプール2』(18)は土日2日間で動員23万9000人、興収3億7500万円を記録。最終興収は18億円と、2作ともほぼ同等。先述の今作の成績は週末3日間のものなので直接比較することはできないが、概ね一定のラインをキープできていると判断することができよう。
一方でウルヴァリンはというと、「X-MEN」シリーズはアメコミ映画黎明期の初期第1作・第2作が興収18億円ほどのヒットを記録して以降、新シリーズの『X-MEN: フューチャー&パスト』(14)以外すべて興収10億円を下回っている。現在も多くのアメコミ映画に共通している、北米や海外と日本との温度差の違いが特に顕著に現れているシリーズのひとつでもあり、それを踏まえると「X-MEN」から飛びだした「デッドプール」がスマッシュヒットを続けているのは少々意外にも思える。
最も「デッドプール」シリーズが始まった2010年代後半は、MCUをはじめとしたアメコミ映画の国内での人気が以前よりもだいぶ安定してきた時期でもある(それでも海外との温度差は広がる一方ではあったが)。そのなかでコメディに振り切ったカラーの違い、過去作の参照を必要としない新たなヒーローの登場という点において、新たなファン層も得るきっかけに繋がったのだと考えるのが妥当であろう。ここに今回、古参であるウルヴァリンが加わったことで、興行的にどのような化学変化がもたらされるのか。
ちなみに両シリーズを手掛けていた20世紀フォックスがディズニー傘下となったことで、今作から事実上のMCU入りを果たしたデッドプールとウルヴァリン。北米では先述のように“ヒーロー映画疲れ”を吹き飛ばす起爆剤となっており、さらに絶好のタイミングで行われたサンディエゴ・コミコンではMCUの今後の計画も発表され話題沸騰。両ヒーローが今後本格的にMCUと合流することに期待しつつ、まずは日本でもアメコミ映画のゲームチェンジャーとなることを注目しておきたい。